『風水をもっと知ろう!』
今月の25日から配信が始まる風水山道通信講座各コースに設定された目標とは裏腹に、この風水通信講座を通じて、もっと皆さんに理解してほしいことがあります。
それは、風水の概念そのものであり、基本であり、永遠の応用だと私自身は考えております。
風水学は堪輿(かんよ)と呼ばれ「堪」と「輿」を分けて定義されます。
「堪」とは“天文擇日(Time)”を意味し、「輿」は“地理(Space)”のことです。つまり、堪輿とは「天文・地理」を意味します。
古代中国人の自然観に三才という概念があり、『易経』(説卦)では、三才について言及しています。「才」とは働きを意味し、 天と地と人を指します。それは、三元、三儀、三極とも呼ばれ、あまねく自然現象を天地人の三才にわけて捉えようとしました。孟子は「天時、地利、人和。」と言います。
「天」は“時”、「地」は“利”、「人」は“和”という区分に依れば、堪とは「天時」であり、それは時間(Time)であり、時機(機会)の配合でもあるわけです。また、輿とは「地利」であり、位置の選択及び空間(Space)の運用方法を意味します。
天と地、それは自然界における事象の変化に伴う時機(チャンス)を如何にうまく、空間の配置に適用するかと言うことを言っているのです。
それでは、チャンスを空間に適用させ、その恩恵に与る者とは?
それは、人に他ならないのです。そして、人は「人和」であり、鍾進添老師は「人和とは人の和諧である」と言います。
時間と空間の狭間にあって彷徨える我ら人間が積極的に天時(時間) と地利(空間)に、「やわらぎ調和(和諧)」することを試みることが、まさしく堪輿であり風水なのです。
そして、時間(天)と空間(地)を調和(人)させ恩恵を授かろうとした試みは、古代堪輿学のテーマであり、広くは国家の都市づくりから、一家の陽宅・陰宅まで研究され続けてきました。
陽宅とは現代で言うならば住宅であり、居住空間における住人の心身に対する影響への考察が陽宅の研究でした。
主眼となった研究対象は、「方位」に対する人間への影響であり、それは、磁場や電磁場が人体や精神に及ぼす影響を観察することでした。堪輿家はこれを「理気(りき)」と呼びました。
また、住宅の周辺環境である「形勢」と住人の関係における研究は、鍾進添老師によれば「環境心理学(Environmental Psychology)」であり、古代堪輿家は「巒頭(らんとう)」と呼びました。
近現代までの風水の標した膨大な歴史と文化を技術としての風水という側面で内容を分析しますと、幾つかの類型が設けられます。
台湾の三大風水家と呼ばれ、近現代において台湾の風水を世界一と言われるまでに高めるのに貢献した唐正一によれば、地理風水とは次の五つに分類されます。
<1> 形象地理師:巒頭に精通し地形を見極める。大概は理気を用いない。
<2> 挨星地理師:挨星に傾倒し形象龍穴を看ない場合が多く挨星法以外の理気は看ない。
<3> 九星地理師:2タイプに類型。
①玄空飛星及び三元九運を用いる。三元派(二元八運)を用いる。
②三合派巒頭と九星つまり玄空飛星を用いる。
<4> 三合地理師:三合會局を看る。長生水法
<5> 靈機地理師:滑稽な山師。
これを流派という区分で分析すると以下のようになるでしょう。
<1> 形象地理師:巒頭派(形勢派)
<2> 挨星地理師:六大課風水諸派*。。
(例) 六大課風水諸派
三式風水:奇門風水派・六壬風水派・太乙風水派。
三典風水:易卦派・子平風水派・演禽風水派。
<3> 九星地理師:①玄空飛星派・三元派 ②三合派と玄空飛星派の合わさった派
<4> 三合地理師:三合派
<5> 靈機地理師:霊術家*
風水山道通信講座では、<1>巒頭派、<3>三元派、<4>三合派の風水技術を各ーコスにて古典を読み直し解読を含めて、実用として実践できる風水を扱っていきます。
<微注>
*台湾三大風水家・・・唐正一、劉訓昇、林明德
○唐正一
中国湖南省に戻り、建觀音佛寺にて1999年没。『風水的研究』唐正一著。現在、山道帰一が日本での版権を所有。
○劉訓昇
中国上海に戻り、建佛寺を経て浙江省甯縣に隠居。その後、消息不明。『陰陽學』著。
○林明德
台湾在住。現在、80歳を越える。『易經 天書註解』著。
*六大課(りくだいか)
○三典
上典:河絡理数(梅花心易、象数易)
中典:星平會海(子平八字、七星四餘)
下典:宿曜演禽
○三式
天式:太乙神数
地式:奇門遁甲
人式:六壬神課
*霊術家
良い意味では、かつての山師たちのように自分の経験から導き出される洞察を得た認識を持つ人。霊感にすぐれた人。
悪い意味ではスピリチュアルと呼ばれる精神世界にかぶれた知識も技術もないのに適当なことを自分の感性、主観で表現する人たち。得てして当てずっぽうの適当。