陽宅実務2

Photo_2 そもそも、私は科学者ではないし、自分が科学者並みの科学知識を持っているとも思えない。どの分野も専門性があり、門外漢が容易に精通できるものではないことは科学にしろ、風水にしろ同じでしょう。

 そこで古代ギリシアの哲学者、ソクラテスの日本語訳された言葉を借りるのならば「自分自身が無知であることを知っている人間は、自分自身が無知であることを知らない人間より賢い」(無知の知)と、言うようなもので、科学について専門家でもない私が風水が科学か或いは非科学かを定義できるわけがないのです。

 そのため、 陽宅実務1 では「陽宅(住宅)風水が非科学的とは言えないよね」という人間心理と理気の目的の一つ宅の向きから両者の因果関係について述べたまでです。

220pxnicholas_of_cusa ちなみにソクラテスの言葉「無知の知」の邦訳は、ニコラウス・クザーヌスの「知ある不知=docta ignorantia」のドイツ語訳が日本語で、「無知の知=das Wissen des Nichtwissens」と訳され、定着したことへの批判として、「知らない」という否定を絶えず確かめ、自覚しつづけた哲学者ソクラテスを、「無知の知者」として聖人に祭り上げてきた日本での一般理解は、哲学に対する根本的な無知とさえ言及されます。

 つまり物事に対する理解には良識や常識というものがあって、その分別までも忘れ、常識としての服を着ることも「知らない」と貫き通したら賢いのではなく、それはもうただの裸の王様で露出狂で即逮捕だろうということです。

 知らない=危ういこともあるということです。(´A`。)

 そういった常識と良識の見地から陰宅風水を考えるに、根底にある「気は感応して、鬼福は人に及ぶ」という思考自体が科学的ではないと判断できると述べたのです。

Imagescap4dbmp いずれにせよ、科学者でもない風水師の私が風水を科学と決めつけることもできない。

 そして、風水師でもない科学者が風水を非科学と決めつけることもできはしないでしょう。

 物事を判断するのには常識というものがあって、科学的な実証、或いは社会的な認知を風水が得ていない以上、風水を用いて何かの確約をするのは単なる、うそつきだと思う。

Guideline そのため、私がこの社会の中で風水を住宅に取り入れて設計する風水設計に携わる時、必ず御施主様に風水設計・ガイドラインについて左図のようにについて説明します。

 当然、「確約してくれなきゃ、嫌だー」という御施主様とは仕事をしません。理由は上記で述べたとおりです。そういう訳で実際に仕事も多くはないです。(笑)

 具体的に私が住宅の空間デザインに関わる風水師としての業務、風水設計デザイン、以下の三点となります。

 1.風水による創造力(クリエイティブ)
 2.風水による技術力(スキル)
 3.風水による美術力(デザイン)

  そして、それは空間を彩る文化としての風水であり、私は建造物のもつ空間を風水文化によってプロデュースするのが仕事であると心得て、風水をペテンの手段である「金運」「開運」「健康運」といった甘言をもって社会と、人々と関わることもなければ、人々の欲望を刺激し金儲けの手段に風水を貶めるようなことは断じてあってはならないのです。

1_2 それは風水文化に対する冒涜にすぎないのですから。そのため、私はこの点を曖昧せず契約書および同意書も常にストイックです。左の同意書にサインを貰わないと仕事をしません。

 私はただ、一人の空間デザイナーとして住宅の設計に携わるのが私の仕事ですから。

 ちなみに、この同意書を建築士の生徒に見せたら「えらいもん見た」と驚いていました。(笑)

Dsc02291 建築士と異なるのは土地選びの段階から業務に携わることくらいでしょうか。

 指定された通勤圏、指定されたエリア、指定された規模の土地調査の依頼を受けて探すことはありますが、不動産業務は私の仕事ではないので関わらないです。

Photo_3 一人の空間デザイナーとして、心地よい空間をつくりだすために空間をデザイン・コーディネートするのが、私の風水を用いた設計との関わり方です。

 私は風水施工と呼んでいます。

Photo_4 もちろん、風水施行をしたからといって中華なデザインになるわけではありません。傍目には風水が取り入れてられた設計及び空間デザインされていると気づかれることは寧ろないでしょう。

 しかしその背景には膨大な風水のロジックが織り込められているのです。

Dsc02355 風水施工をする上で、遣り形と呼ばれる建物を建てる前に、柱・壁などの位置、高さの基準となる水平線などを標示するため敷地に設ける仮設物が大事になります。

 

    

Dsc02358 この段階で、しっかりと風水設計の基本となる理気部分を網羅し寸法や角度に狂いがないかを確認しなければなりません。

 時に図面の変更とともに、この遣り形作業が何度も続く場合ももちろんあります。空間デザイナーって、カッコ良く聞こえますが、意外に現場労働なのが陽宅実務です。水糸が張られ理気の主要なポイントを網羅し、その確認作業に入いる。

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 「おっと!脚立の手を離さないで~」って(笑)

 

 私の目指す風水による空間デザインには、様々な視点を持つ理気技術を用いてできるだけ多くの合局となる範囲からデザインを割り出していくことで限定されているようで、逆に自由に空間内のデザインが見えてくる楽しみがあります。

1_3 よく風水施工に携わっていて、納期を急ぐ御施主様から風水設計の段階で遅れを出すと、「風水っていうもんは、そんな面倒なものなのか?」と、怒られたりしますが。正直に言うと、私の風水施行における方法論は超面倒で手順も複雑です。と言うのも、建築の設計に加えて、風水も加わる風水設計なわけですから普通の建築よりも面倒で時間もかかるのは言うまでもありません。全部はお見せしませんが、左様な細かいフローが10項目以上あり、竣工へといたります。

   

Photo_2 もちろん、その土地、その場所だから、そのデザインになるという、周辺環境からの決定という点が、建築の枠だけにとどまらず風水を考慮することで見えてきます。

 仕事はストイックに、社会で認知がなく自分の請け負えない領分には請け負えないことを明確に御施主様には告げます。

Dsc02350 そんな私の頑な態度と方針のお陰で、今日も仕事は少ないですが。(笑)

 それでも私の陽宅実務、風水施工を独自の空間デザイナーとしての感性を描ける楽しみとともに、私の考える風水を世に表現し、世に問い続ける作業は個における実技として続いていくのです。

 上の同意書を理解して、ご興味がある方は 鑑定山道 もしくは風水施工をご希望であれば直接こちらの建築事務所の くうかんの森プランニングまでお問い合わせください。

 

 最近、実務ばかりでたくさんのケーススタディを集めたので、いずれまた著作物や講演会で発表しますね。

 

 

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