五術の国家試験が始まる

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 明けましておめでとうございます!

 新年開始に相応しい特筆すべき情報をお届けいたします。

 「五術の国家試験が始まる」と、表題にありますが、そうです。ついに、はじまるのです。

   

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 「社団法人中華易学教育研究院協会」の長年の研鑽が実を結び、ついに術数文化が俗的な「占術(占い)文化」とは、袂を分かち、一線を画し学術として後世に遺す「五術文化」として、中華民国(台湾)政府による認定試験、つまり国家試験の課目となり、本年2015年より第一回国家試験がはじまります。

 中華民国(台湾)の行政院に属する 内政部 (日本の内務省に相当)・労働部 の二つの行政機関によって、試験は運営され国家試験として認定されます。

     

Img_1024 試験委員会である指導委員は、そうそうたる顔ぶれと大学機関の介入による教授陣たちによって構成されております。

 私のお師匠様である鍾進添老師も指導委員会の一人として名を連ねております。

 ちらっと目録を見れば、なるほどこの試験が中華民国(台湾)に限定されたものでは無く、北京大学、四川大学なども絡んでおり、中国とのタイアップもできているようです。つまり、中華圏における「五術文化」という位置づけなのでしょう。

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 これまで台湾における五術文化の学術発表にかかわってきて、とても不愉快な文化の冒涜・歪曲にしか思えない独創と捏造による江湖派理論や、悪質な宗教による術数を利用した洗脳と金儲けを目撃する度に胸くそが悪かったのですが、こういった国家規模での認定試験ができたことで時代は着実に変わり始めました。「南無・・・」と、気分が良いです。(笑)

 それには背景で委員結成から試験構築まで尽力してきた洪富連老師の偉業が挙げられるでしょう。こういう基準が必要だとする暗黙の洪富連老師のメッセージに私も心から賛同しておりました。

Img_1026 もちろん、この国家試験の第一陣として日本からは私が切り込み隊長をさせて頂こうかと。今まで、五術とか言ってみても、日本国内では「占い」とか割り切られた観がありましたが、これからは変わるんです!俗的な迷信文化という肩書き(江湖派というくくり)の中で永遠に暮らす占い師たちと、学術として認知された五術文化に精通しているという意味合いで国家試験を通過し、国家資格をもつ者達とで分岐していくのでしょう。

 さて、国家試験ともなれば気になるのが試験要綱です。とかく流派(学派)が多く玉石混淆の理論が入り乱れる五術世界ですが、それらを学術に還元していくために用意された指導委員による統一見解を得たテキストが既に発刊されています。

  

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 合計七冊一セットの教科書になっており、先月の年の暮れに台湾に行ったおりにちょうど発売されており受け取ってきました。

 なかなかボリュームあります。試験は全7科目、「①人文通識」「②風水管理師」「③命理諮商師」「④信息管理師」「⑤生涯規劃師」「⑥人相詢諮師」「⑦姓名詢諮師」となっております。

 実に合理的な課目だと思いました。というのも、人様にアドバイスをする言わばセラピストとしてのアドバイザーを務める五術家が俗的な迷信文化の占い師として無資格では、あまりにも無責任で犯罪事件の温床です。

 しっかりとした基準のもと社会の中で、法律のもとで、適正があるアドバイザーとして通用するかどうか、はたまたこの業界に多い、自らをバイブルのように振る舞う頭のいかれた宗教家や捏造理論に陶酔する無法者をきちんとと選別できる試験が必要だと思っていました。

 またアドバイザーとして、例えばセラピストが行う心理療法は「サイコセラピー」と呼ばれ、サイコセラピーは、精神医学から発達したもので、精神科の医師が行ってきており、もちろん社会的認知を得た医者であり、医師国家試験を通過した有資格者です。人々の心のケアにも関係する五術家に対しても学術水準を推し量る試験が必要性であることは言うまでも無いでしょう。

 人々にアドバイスを行うだけでは無く、心理療法と同じく人々の心理に係わりがある職業が無資格で許されるはずがありません。これからは変わるべきです。正しい社会的な認知を得た者こそが、心理療法と同じく人々の心のケアにかかわるべきだと、少なくとも法治国家で暮らす者は法に従うべきであり、それがいやだと言う者がいるのならば「それでは自分の好きな国に行ってください。法治国家以外の暗黒国家にでも」ということになるのでしょう。

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 例えば、風水でいう神秘学としての領域である「陰宅」(墓相)も、正しい「文化」としての所作があります。

 それは死者をただ埋葬したり、貝塚に捨てておけば良よいという問題では無く(それは死体遺棄だから(゚ロ゚;))、墓(陰宅)とは遺族の心の問題でもあり、葬送儀礼(殯葬禮俗 ひんそうれいぞく)の文化でもあるわけです。当然、葬送儀礼と呼ばれる死体処理と鎮魂とから成立っている死者を葬る一連の儀礼を知らなければ、少なくとも中華圏における陰宅文化に精通しているということにはなりません。左の写真は既に台湾で開始された「殯葬禮俗」資格試験の教科書です。

 日本でも、葬儀を執り行う葬儀屋の資格である「葬祭ディレクター」を持っていなければ、葬儀屋はできませんね。葬祭ディレクターは葬祭業界においての知識や技能のレベルが一定以上あるかを認定する資格です。知識*を軽んじることなどでませぬぞ。

*知識: 物事の正邪などを判別する心のはたらき『広辞苑』(第五版)

 つまり、根本的には五術家認定試験はこの葬祭ディレクター認定試験と同じく、占術或いは術数業界においての知識や技能のレベルが一定以上あるかを認定する資格として理解して頂ければ幸いであり、無資格でまかり通る方が皆さんも不自然だと、ここまで読み進めてくださった読者諸氏も思うことでしょう。

 さてさて、長くなりましたが、気になる試験はどの様なものか、教科書と共に覗いて見ましょう!

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 まずは風水の教科書である「②風水管理師」のテキストは、ふむふむ三元・三合の基礎的な分野が網羅されていますなー。

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 「風水」一科目内でも試験項目が多岐にわたります。

 うほっ、奇門遁甲まで試験科目ですか。これは興味深いですな~。やはり、総合的な風水の知識を問う試験になっているわけです。

 「③命理諮商師」(四柱推命)の試験内容もランダムで一ページ開いて見てみると、基礎的な事柄がメインですね。そんなに難しい問題では無いです。分岐した課目数が多い風水のほうが大変そうですな。私的には基礎を押さえていれば解け、難問であるとは思いませんでした。ただ無師自通を標榜し、独学で伝統文化としての学術を無視して自分でかつてに捏造した理論に浸っている輩にはハードな試験となるでしょう。そういった江湖派(ヤクザ流派)の人達は理由つけて試験受けないかな。(笑)

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 いつの日か、この試験対策の教科書も全部日本語訳し、この台湾における五術国家試験となる「社団法人中華易学教育研究院協会」による試験も日本で日本語で受験できるように用意を進めたい次第です。

 また新しい情報があり次第更新しますね。最近、ブログを頻繁に更新するのは時間の都合からと個人情報が絡むのでやめましたが、こういう重大な情報が出た時は私の主義主張と共に更新しますので、乞うご期待。

 今年も皆様が健やかに愉しく過ごせますように!

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