阿藤さんが言った
阿藤大昇氏:「流石ですね。それではもう暗殺者は手を出せませんよ。」
別に暗殺者なんて意識していなかった・・・。
決して逃げたわけではない。
ただウィリアムとの約束を果たしたかった。
それは9mmから6mm、そうクライミングで言うならばグレード5・13の世界である。
その危険な領域の世界に挑んだカリスマ美容師のウィリアムは、見事にグレード5・13をオンサイト、達成したのだ。
そんな6mmを切る領域を達成したウィリアムと約束していたことがあった。
ダニエル:「ウィリアムが達成したら、オレも必ず達成する。」
暗殺者の手を逃れ8月4日に台湾から無事戻り、休む間も無く、とても貴重な日本の未来に係わる2日間の会議に突入してしまいウィリアムはただ、ダニエルの約束履行を今日まで待っていた。
そこには挑み続ける漢(オトコ)の世界があった。
2日間の秘密会議を終え、その足はヨロヨロと御徒町のウィリアムの店に向かう。そう、定められた約束を果たすために。
ダニエル:「じゃあ、6ミリ(グレード5・13)でお願いします。」
生まれてはじめてのボーズの世界。
別に出家をしたわけではないが、生まれ変わった気がした。
思わず合掌し、目を閉じ瞑想する。
なかなか、良い感じ。
鹿児島から偶然東京に来ていた新兵のコロゾフは茶通で茶をすすっているのを店員のスタッフに目撃され、ダニエルに通報される。発見されたコロゾフは、無理やり新宿に移動させられ、我々東京ホームの仲間内の飲み会に参加させられた。そして、ボーズ、坊主のダニエルを見て開口一番に一言いった。
コロゾフ:「あっ!まさかアナタ様は・・・。ま、前より良いですよ。な、なんかありがたい感じがします。」
阿藤大昇氏:「台湾では坊主を殺してはいけないので、もう台湾の暗殺者に狙われなくて済みますよ。」
ダニエル:「阿藤さん!煩悩を超えましたよ!」
写真左のハゲがダニエル、右のハゲがウィリアム。
我々はグレード5・13を達成し、香港行きの用意は整った。
この和尚コンビを見た時のロー先生の笑顔が思い浮かぶ。
追伸
ついに阿藤さんの小説完成です。3万字と時空を超える作品です。ああ、早くオレも書き上げねば。