全国行脚を何度もして、目のあたりにしてきたのは、深刻な環境破壊と、その結果としてもたらされる自然界から偏りのバランスを戻そうとする力のうねりがもたらす人間にとっての脅威だった。
伝統風水では山間部の「龍脈(山脈)」は、地表から2mも掘れば干渉すると定義される。また、龍脈とは人体で喩えるのならば血管の如きものであり、山を削るということは「赤龍(せきりゅう)」と呼ばれ、龍(山)が血を流している状態とされ、山はやがて致命傷を負い死に到る「死龍(死んだ山)」となる。
以下、拙著『完全定本【実践】地理風水大全』より引用。
赤龍(せきりゅう)
山が開墾整理されたり、山道を通されたり、土砂崩れや地震で山の一部が崩れている状態の山を赤龍と呼ぶ。定義として、龍が傷を負って流血している状態であり、赤龍が来て、形成される明堂は非常に凶となる。そういった場所にお墓を立てると後代が途絶えるとされる。土が剥き出しになっている。
今回、依頼された鑑定現場で、確かにはっきりとしたことが、山裾の部分であり、そこに到る過程の龍脈が既に「赤龍」となり、凶悪な状態なのに加え、下った部分は「斬龍(ざんりゅう)」となり、幾重にも龍脈(山脈)が損傷している事実であった。
山脈を斬る山の秩序の破壊である「斬龍」の中で最も忌むのが、「入首(にゅうしゅ)」と呼ばれる龍(山)の頭に続く、首にあたる部分の脈を斬ることである。わかりやすい左の写真のような小さな龍(山)で喩えると亀の頭のようなもっことした小さな頭(右)に大きな甲羅(左)のような峰があり、その頭に続く峽(きょう)の部分が気が密集して集まることよりその性質を「束気(そっき)」と呼び、龍の首であることから「入首」と呼ばれるのである。
首と言うとどういった部分が首か読者はわかり難いことだと思われるので、左の地図に典型的な首を落とすトンネルの「斬龍」となっている。左の地図が龍脈の「入首」にトンネルが通されている写真。山(龍)は当然大小があり、その規模による違いもありますが、このような状態を「入首」を斬っている状態と言います。
龍(山)は「貴賎」をあらわすとされ、今回の舞台となるこの龍の頭となるエリアが、現状の風水が危険視する「斬龍」エリアになる前2004年までは、この地区に住む(ツナミ宅の横隣)、県議員のY氏を排出し、風水では吉地であったといえる。
熊本県上益城郡御船町エリアに2007年12月19日に開通いや貫通し国道443号線は「斬龍」となる。
異変はここから始まった。
その後もこの第9地区とも呼ぶべき危険エリアの中では、今年も新たな「御船シンボル道路」が2010年3月31日に貫通。新しすぎてGoogle地図にすら載っていない。
この道路の開通と共に多くの人が、引越しを始めたという。地震の前にいなくなるネズミと同じく、人間は実は敏感なのである。また、住人もどこかぎすぎすし、暮らしに何らかの目に見えない負荷をツナミは感じるようになったという。
ツナミ:「次女のカスミ(10)は、今年の7月28日に半月板損傷手術をしました。実は、娘の担任であるM女史(40)も同じ日の今年7月28日に半月板損傷手術を受けています。先生が半年近くずっと足が痛いというものだから、"もしかして"と思ったんです。娘の担当医に見てもらってはと提案しました。
担任は授業をする時に斬龍の道路と向かい合う外側が損傷し、娘はその逆の内側が損傷していました。山道先生何かあるのではないでしょうか?」
また、この斬龍に寄り添った同じ小学校の教頭先生も腰痛が年々ひどく深刻な事態になっているという。更に、同校における別の教員も、股関節が炎症を起こし、医師の診断を受けたところ、人工股関節に取り替える必要があるため、大手術になるという。
また、この地区が排出したもと県議員のY氏運営するテーマパークもこの地区にあり、そこの従業員のM氏が園長に就任すると、息子が脳腫瘍になったという。
ツナミの息子の通う近隣の中学校のある教師は、飲酒運転で民家に突っ込み、懲戒免職になったのは最近の出来事である。
次々に降りかかる自然からの災害に対して、一つだけ共通している点だけを見つめてください。
全てがこの第9地区とでも呼ぶエリアで起きているという事実を。
そして、この「斬龍」開通から始まった次々に降りかかる悲劇たち。
何かが狂ってきている!
「斬龍」に隣接していた住宅のO氏は、自宅のトイレで先月の7月25日に急死しており、死因は糖尿病によるものと判断されましたが、それだけでは割り切れない縁起観を一連の調査から感じる。
風水を100点満点で喩えるならば、正確には200点満点で考えなければならない。そう、プラス100点があるのならば自然の摂理として、マイナス100点もあるのだ。
そして、負の自然の摂理は人間の手によって生み出されている。
もちろん風水を語るだけの現代版・山師とでも呼ぶべき輩も圧倒的に多い昨今である。日本の本屋に並んでいる実に9割以上が風水を語るだけのイカサマ風水なのが実情。風水師を名乗るものたちの言こそが怪しいのがこの現代。
*写真は香港大富豪の愛人のイカサマ風水師陳振聰(英名トニー・チャン、Tony Chan)氏
だから、一人一人に考えてもらいたい。
風水の縁起観と、現在私たちを取り囲む暮らしの中で起きている出来事。不自然な山を貫通させた道路に、山に建てられ続ける電波塔、そして必要性のないダムたち。
風水云々を信じなくて良い。ただ、知って欲しい。これが本当の環境破壊なのではないだろうか?
風水師やかつての山師は人間が自然との調和ではなく破壊という手段をとったときに、どのような「因」が生まれ、「果」となるのかを見つめ続けてきた。そして、警告を発するのが仕事だった。それは、正しく口承によって語り部たちが語り継いできたものとも一致するのだ。
そして、自然に手を変え品を変えては、破壊し続けた結果のもたらしたものとは?
今一度、古代人のもっていた縁起観と共に、風水と環境について多くの人に考えてもらいたい。
私たちは大事なものを失おうとしている。
私たちは既に大事な何かを失い始めている!
7月25日に亡くなったO氏はもう帰ってこないのだから・・・。
「何を見て、何を感じて、何を思う?」
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