今回は、茶芸師のペルーちゃん、乙骨さん、マメヒコのボス井川さんたちと共に、お茶に縁の深いメンバーと共に、台湾を回った。夏のお茶である東方美人を中心に茶葉の買い付けを終える。
文山では、二人で河童になった仲を通じて、いつの間にか、乙骨さんは、山道の乾弟(義理の弟)と化し、二人で十年に一回あるかないかといわれる文山名物「カッパ・ユニット」を結成。危険な流れの早い川に立ち向かう河童たち(笑)。
後日、台中に住んでいる乙骨さんと再び合流。川以外で合流。
その後、老先輩のHさんの家でゴロゴロくつろいでいると、
H老先輩:「山道!少しは、台湾の五林の先輩達に挨拶でもして来なさい。」
確かに、台湾における五林のなかでも、仙道については裏・ネットワークが確立しているが、竹林・梅林・麻林の分野に関しては、いろいろとご挨拶していない方々が沢山いた。
*五林・・・山(松林)・医(杏林)・命(竹林)・卜(梅林)・相(麻林)
色々なしがらみから開放されたことを知っているH老先輩は、唐突にピッポッパッポと電話を鳴らしている。
H老先輩:「ああ、もしもし。今、電話かわるから。」
唐突に「鍾進添老師!」とだけ言われ、電話を渡される。
いきなり、恐縮です。
ダニエル:「・・・あのぅ、来月、来たときにでも。その時は、また、ゆっくりとご挨拶させていただきます。」
鍾進添老師:「う~ん。とりあえず、今からすぐ来なさい。待ってるから。」
そう言って、電話は切れていた。
H老先輩:「良かったじゃない。あんまり、人と会わない御仁なんだよ。」
そう。老先輩は文山の激流より展開が速い。そして、五林に通じた強い人脈を持っていらっしゃる。その後の予定を延ばして、H老先輩の家から、車で10分ほどの鍾進添老師にご挨拶に行くことに。
鍾進添老師は、張耀文老師の小学校時代のクラスメートであり、五林の重鎮であります。会う前から、非常によいイメージを持っていましたが、会ってみたら、もっと良いイメージに変わりました。やはり、五林のご挨拶回りはしてみるものです。
初対面ですが、張先生のことや色々なことをご質問させていただきました。
話せば話すほど人格者だというのが、ビシバシと伝わってきて、すごく嬉しい対談に。この五林に人格者が少ないだけに、とても幸せな一時でした。沢山、色々と質問しても笑顔で答えてくれる鍾進添老師は素晴らしい人です。
特に、擇日に造詣が深いと評判の鍾進添老師には、擇日に関して疑問に思っていたことを洗いざらい質問してみました。
鍾進添老師:「台湾では三合擇日(通書擇日)と天星擇日がメインです。」
ダニエル:「なるほど。やはり、あの擇日と名乗るものの正体は?あっ、やっぱり、伝統風水としての定義は難しいでしょうね。私が先の本で書いたとおりの見解でした。」
流石は、鍾進添老師は、伝統風水文化と規定できるものから、新しく作られた風水技術まで、造詣が深く、古今の風水書にも通じており、話していてとても勉強になりました。ちなみに、「風水書」という言い方はありますよ。
奇門遁甲を使った「日家奇門擇日」などは、三合の擇日であり、知らなかったものも多く、素直な気持ちで知らないことを勉強したいと思いました。
やはり、疑問を疑問のままで心に残すのではなく、わからないことはわからないこととして、素直な気持ちで、謙虚に今まで学んだことをゼロにして、新しいことを学ぶ。これが一番大事なことなのです。
鍾進添老師のような人格者は、数少なく、貴重な風水の生き字引です。
その後、乙骨さんと共に、再びH老先輩の家に戻ると、また電話を渡され、
H老先輩:「ほら。ちゃんと、もう一人、ご挨拶しなくちゃ、鐘義明老師から電話だよ。」
いきなり、恐縮です。
ダニエル:「あっ、ハイ! あのぅ、来月、来た時にでも・・・」
つづく!