張明澄先生のお墓参りⅠ

台湾の員林に来ています。Img_7344  台湾にかれこれ四年くらいいたにもかかわらず、ここに来るのははじめです。雄大な水田に、色々な果物の産地として知られる場所ですね。

 今回、台湾に来る前、師兄(兄弟子)の東海金さんと、張明澄先生のメモリアル記念サイト作成の打ち合わせの中で、張先生のお墓の話になり、「遺言に従って散骨さ れてお墓ないんじゃない」という部分から意識が離れなくなImg_7264り、思い切って、調査することにしました。

 確かに、張先生自身が「火葬の場合は、散骨して骨を撒いたほうが風水的に良くも悪くもなく一番無難だ」と言っていたものでした。

 「お墓があれば、お墓参りをする」ことが目的で員林に来ましたが、手掛かりが、あまりにも漠然としていたので、張先生のお父様がかつて、開業していた張木医院の住所を阿藤大昇さんとお弟子の山内綾二さんに調べていただきました。ちょうど出発の時で、車に乗り込んだ瞬間に電話があり、お電話にてかつての住所を教えていただきました。先行きの良いスタートです。そして、それを皮切りに探しはじめたのですが、既に三十年前以上の住所のため、住所自体が存在していないため、調査はひどく難航しました。

 員林の区役所に行き、調べたり、戸籍課に行ったり、色々とチャレンジして、区役所から、まんまと個人情報を奪取し、いざ張木医院跡地を訪問。

Img_7336Img_7341 はじめから、楽にはたどり着けないとは、思っていたのですが、午前10時から出発して、夕方の5時ごろまで、区画整理によって失われた住所を何度も迷いながら、たどり着いた場所は・・・肉豆腐屋さんでした。

 なんだかお腹も減っちゃて、ここで肉豆腐でも買って食べて「良い思い出だったよ。張木医院の味がしたよ。」と、自分に言い聞かせようとしました。
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 「がんばった、ベストを尽くしたよ。さぁ帰ろう」とも、一瞬思いもしました。

 しかし、「張先生から受けた恩や教えは、こんなもんじゃないだろ!」 と、自分に言い聞かせると、なんだか活力が湧いてきて、聞き込みを再開しました。というのも、2004年11月3日に張先生が鬼籍に入られて以来、もう三年近く経ちました。儒教の慣わしに従って、遺族の方々が喪にくれた三年を譲ったとしても、我々弟子も、張先生を偲ぶために、もし遺骨が散骨されずに残っているならば、ご挨拶に行かしていただいても良い頃合ではないでしょうか。

 確かに、挨拶なんて来られたら、迷惑なだけな輩も沢山いるでしょう(破門された人たち)。

 だから、家族の人たちは、意図的に張先生に係わった人たちを死後に全てシャットアウトしているのでしょう。その意識されたバリアを超えてたどり着くために必要なものは、意識されたバリアを上回る情熱しかないのだと自分に言い聞かせました。

 また、張先生に破門されていない弟子たちは、ご挨拶に行く資格と権利くらいは持ち合わせているのではないでしょうか。むしろ、遺骨が散骨されずに残っていたら、我々はご挨拶に行かねばなりません。

 そのため、末弟の弟子が山道、「遺骨は必ず残っている」ことに賭け、必死になって、区役所、公安所に行き、個人情報の奪取から始まって、現地の人に聞き込みしたり、なんだか刑事みたいになって、調査を試みました。

 きっと、張先生だっておっしゃるはずです。

  「そんな弟子がいても良いじゃない」と。

 この日何度も、調査の壁にぶつかり、思考回路を振り返っての再スタートが幾度となく続きました。

 きっかけは、区役所で知り合った員林の県長さんに導かれて行った病院が原点となって、そこにまた戻ることにしました。困ったら、原点に帰る癖が抜けない。これは、きっと良いことなのでしょう。しかしながら、この病院の受付のお嬢さんに、「昔、この辺りにあった張木医院って知ってますか?」と聞いたら、即「知りません」といわれた場所に戻るのは、躊躇があった。

 しかし、肉豆腐屋の近くで聞き込みをしていたとき、拝拝用の線香屋さんのおじいちゃんが、その住所に、張木医院の息子さんの一人が病院を経営しているというものだから。また、戻るしかないだろう。

 だんだん、迷子の子犬のように自分が惨めになってきた。

 しかし、放逐された後の世界は限りなく広い。そして、これは自分が習ったもののルーツを探す旅でもあった。いつも、始まりと終わりはひょんな所に潜んでいるものだ。

 正直、一回目に来た時、三秒で「知らない」と言われたのだから、ここは違うんじゃないという先入観を拭い切れないが、二度も同じ場所を指し示すこのコンパスの先にある磁力を見極めなくてはならない。

 もういい加減ストーカー扱いされたらどうしようと思いながら、病院に入ると受付のお嬢さんが違う人に変わっていました。

 もちろん、今度も、張木医院や、張家という言葉に反応なし。

 さて、どうしたものかと、途方に暮れ、病院を出ようと後ろを振り向くと、張先生に似た男の人が立っているではありませんか!

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