それは一本の電話から始まった。阿藤大昇さんからの私を介した掛川師兄への鑑定依頼だった。
阿藤大昇:「掛川先生に、無学訣を使って調べていただけないでしょう
か。」
その悲しく狂おしいまでの10年間に及ぶ恋の話を阿藤さんに聞かされた私は、無言のうちに一通のメールを掛川師兄に送った。心の中では、阿藤さんに踏みとどまってほしかったのだ。そして、掛川師兄も、それを察してくれるものと思っていた。
これは、Criminal Mind(クリミナル・マインド)の気配さえも感じてしまうほど、恋に恋焦がれたが、悪質な宗教によって運命を破壊されてしまった漢(オトコ)阿藤大昇のセツナイ恋の物語なのだ。(。♋ฺ‸♋ฺ。)
皆様の許可を経て、クリミナル・マインド、シーズン2に突入です。我々のメールを公開いたします。
----- Original Message -----
From: 山道帰一
To: 掛川掌瑛
Subject: 阿藤さんの結婚
Date: Thu, 16 Oct 2008 20:46:00 +0900掛川師兄
阿藤さんより、以下の命式の女性と阿藤さんが、今年中に結婚することができるか、掛川師兄に鑑定していただきたいとの依頼がありました。阿藤さんとこの女性の相性や今年中に二人が結ばれるかどうかを判断して欲しいとのお電話がありましたので、ご報告いたします。
お忙しいところ、誠に恐縮ですが、少し判断していただけないでしょうか。
人相などを判断の基準に使う必要があれば、こちらをご覧くださいませ。渡辺さん<坤造> 1976年5月30日19:36生
阿藤さんにとって、この女性との結婚は、運命の上で、非常に大事であり、阿藤さんの判断によると、今年したくもない縁談に、この女性が巻き込まれて、不本意な結婚や妊娠をする可能性があるとのことです。
そのため、以前は、悪質な宗教にはまっており、彼女をも巻き込もうとした阿藤さんが、ある種の気づきを得まして、「彼女だけが、自分を助けてくれようとした」という慈悲に、今更ながらですが気づき、今度は彼女を助けてあげたいとのことです。以前は、彼女が働いていた店に、通いつめるために、彼女は働くお店を変えていたらしいのですが、阿藤さん曰く、「悪い宗教に入っていたことを気づかせる」ためであったと、確信したらしいです。
そして、今は、悪い宗教に400万円ほど取られてしまいましたが、おかげで、足を洗うこともでき、身も心も綺麗になったので、再び、彼女に告白しようと決心したらしいのです。
不思議なことに、決心した瞬間に彼女の居所がわかり、近いうちに訪ねて行き、彼女に愛を告白するとのことです。
そして、今度は、阿藤さんが彼女を運命の不幸から守るために、例え、押し倒すことになっても、いや、押し倒して彼女との恋仲の関係になると、豪語しております。
もし、彼女が既に身ごもっていて、結婚を決めていた場合は、一生独身を貫き通すとのことであります。こんな純粋な想い!?を持つ、阿藤さんのために、師兄の卓越した五術と無学訣を持って、判断していただけないでしょうか。
誠に、ご迷惑をおかけいたしますが、同じ、明澄透派の系列におります阿藤さんです。
師兄にとって、弟のような立場にある阿藤さんのお願いに、心ばかりのご判断をいただければ、阿藤さんの生きる指針となって、幸いであります。また、小生も阿藤さんからの依頼で、このお店に共に行き、阿藤さんが、その場で告白するのを見届けて欲しいとお願いされております。
阿藤さんの今後が心配です。
以前、阿藤さんが属していた悪質な宗教を抜けたいという女性からのご相談を受け、その方の娘さんからも、人間的に信頼されているため、思いやりがあり、心優しい阿藤さんは、二進も三進も行かなくなってしまいました。
直感的に嫌な予感がした私は、先日、執拗に阿藤さんに電話を入れ、夜中の三時に、私からの電話で解放された阿藤さんは、事なきを得ました。
しかし、そのとき、拉致監禁されて求婚されたことや、家までその女性がついて来たことを考えると、その女性の娘さんが父親がいないため、不憫なことに対する同情や、その女性からの求婚、悪質な宗教から助けてあげたいなど、色々な思いに悩まされて、今回のこういった結論、
「押し倒しても結婚してしまう」という想いに繋がっているのだと思います。その辺りをご考慮していただき、どうか、もう一人の弟のごとき存在でもある阿藤さんのために、的確なご判断とアドバイスをよろしくお願い申し上げます。
敬具
愚弟
山道帰一
----- Original Message -----
From: 掛川掌瑛
To: 山道帰一
Sent: Thursday, October 16, 2008 10:31 PM
Subject: RE: 阿藤さんの結婚山道師弟
ご依頼の件ですが、この女性の守護仏は、愛染明王であり、軍荼明王の阿藤さんとは、絶対に相容れません。
あるいは何らかの同志としてなら可能性もありますが、恋愛でうまくゆく可能性は全くありません。愛染明王を守護仏とする人は、40人以上に1人程度の存在率しかなく、私の実占記録では、1000人中10人しか見ておりません。
軍荼明王の確率もも40人に1人程度、実占では1000中18人ですから、このような組み合わせができる可能性は天文学的な数字になってしまいます。
にも係わらず、出会うはずのない、絶対にうまく行かない相手に出会い、しかも好きになってしまうのは、一種の霊感のようなもの(五体の「神」)が働いて、本来避けるべきものを、運命の人などとカン違いしてしまうものと見られます。
つまり、確率50%のギャンブルで、何度やっても永久にはずし続けるような、確率的にはありえないような現象です。
子平八字で見ますと、女性の命式は日干の壬に庚が並びさらに丙が照らす素晴らしいものですが、「冲天奔地」という欠点もある命式です。つまり自分を抑えきれない面があります。
女性から阿藤さんの命式を見ますと、最強干は辛であり、女性の命式で最喜干である丙を干合して弱めてしまいます。すると、この女性から見て阿藤さんは、どうしたって好きになるわけがありません。
阿藤さんから女性の命式を見ると、丙が最強干であり、阿藤さんの命式の最強干の辛を干合して弱める関係になっています。
阿藤さん側の辛は最喜神とも閑神とも取れますから、カン違いが生ずる原因となる可能性は充分にあります。
次に、現在の時刻で六壬盤を見ます。
父母 巳 玄武
兄弟 戌 朱雀
官鬼 卯 白虎
六合 太陰 玄武 勾陳
妻財 父母 父母 妻財
亥 午 巳 子
午 丑 子 己恋愛占ですから、一課を男性、三課を女性と比定します。
一課と三課の関係は冲尅となっており、非常に悪い関係と言えます。
勝ち負けで言うと、一課が三課を尅しますから男性に有利とも言えますが、恋愛は押し倒したら勝ち、というものではありません。
また、結果を表わす末伝は白虎ですから、出血沙汰になる可能性があり、官鬼で一課と相刑、しかも一課は勾陳ですから、まともな判断ができません。
つまり、刑罰の対象になるような、非常に悪い結果が予測されます。もし、阿藤さんが何らかの行動に出るつもりなら、
先に警察を呼んでおいたほうが良いでしょう。
以上、鑑定させていただきました。
掛川掌瑛 敬白
----- Original Message -----
From:山道帰一
To: 阿藤大昇
Sent: Thursday, October 16, 2008 11:38 PM
Subject: Fw: 阿藤さんの結婚
阿藤さま先ほど、お電話より承った渡辺さんとの年内の結婚に関する掛川師兄の判断を転送いたします。
あまり、芳しい内容ではないので、何卒、今一度、立ち止まって、いただければ幸いです。
小生も協力できることは何でも、協力いたしますので、冷静に対処いたしましょう。
よろしくお願い申し上げます。
敬具
山道帰一----- Original Message -----
From: 阿藤大昇
To: 山道帰一
Sent: Friday, October 17, 2008 8:52 AM
Subject: たいへんお世話になりました。掛川先生 山道帰一さま
たいへんお忙しいところお時簡を割いていただき、さらに、心をお砕きになってアドバイスしてくださったことに深く感謝いたします。
私が想ったとおり、諸葛孔明と諸葛瑾(私の過去世らしい)の兄弟が、社会的地位があるがために公的な場所で逢えても私的には絶対に会えない関係であったことを思い起こします。まさに犯罪になりますね。
その苦悩は、過去に十分直接体験させていただきましたので、今はその疑問が晴れて清々しい意識の中に居ます。彼女を憎むことも愛する気持ちにもまったく執着がありません。ただ直接謝りにいってもよいのかもしれませんね。手紙という方法もあると想います。
とにかくたいへんご迷惑をおかけいたしました。これからはあまり公私混同しないように務めて参りますので、なにとどよろしくお願いいたします。
2008年10月17日 寅時 阿藤 大昇
その後、阿藤さんは、ある結論を出すにいたった。それは、記事を読んででもらいたい。
えっ、いつの新聞の記事だって?
まだ、何もやっていないだろ!ヽ(`△´)/
阿藤さんのブログの記事公私を分かつものたちです。読んでみてください。
悪質な宗教にお金だけではなく、時間や大事なものを奪われてしまった男の取り返しのつかない苦悩を感じる。それは、現実と夢想の間をちらつく幻影。
どうか、幻影に翻弄されずに、前を向いて歩いてほしい。どんなに、後悔しても、どんなに悲しくても、もう一度失ったものは、元には戻らないのだ。
どうか、阿藤さんには、新しい人生をはじめてもらいたい。過去に捕らわれずに。
阿藤さん、幻影を斬ってください。そして、新しい出会いを見つめてください。
六壬は、阿藤さんがこのまま突き進むならば、刑罰の対象になることを示唆しています。
どうか、くれぐれも無茶なマネはしないでください。阿藤さんに踏みとどまって、新しい人生をはじめてもらいたくて、これらのメールを公開しました。世論によって、阿藤さんが理解しくれると願っております。
悪質な宗教に洗脳され続けたせいで、ここまで、阿藤さんの人生を毟り取り、取り返しのつかない時間が苦悩となって、ここまで、阿藤さんの精神を追い込んだ。その原因であった悪質な宗教をオレは許さないぞ。ヽ(`△´)/
異常犯罪者、Criminal Mind(クリミナル・マインド)を生み続けるだけの宗教は斬らなくてはならない。悪は、いつも背景に潜んでいる。我々は、クリミナル・マインドに踏み込んで行き、悪を根源から斬り裂かねばならない運命にある。
まずは、己の心の中にあるクリミナル・マインドを排除しなければならない。 阿藤さんにも気づいてほしい。ぼくの詩集『断罪』の中の亀の甲羅を身に付けた男の話を参照してくれればありがたい。
そう、多くの人と別れて、いつでも、いつまでも、待っていた。
誰かが助けに来てくれるのを。
でも、雨が降り続けたあの日、知った事実。
誰も、助けに来てくれなかったんだ。
そう、ぼくは立ち上がり、そこから歩き続けている。
自分を救えるのは、自分しかいない。
愛という名の執着、愛という名の監獄から、脱出できるかが、
修練家のテーゼ、自分に対して、非情になれるかが、いま問われている。
夜の街を照らす、一軒の家から洩れてくる明かり(丁)になるか。
はたまた、多くの家を照らす月(辛)なるか。
修練家として生きるか、普通の人として生きるかが問われている。
ここが、阿藤さんにとっての運命の分岐点だ。
修練家として生きるのならば、多くを望んではならない。孤・夭・貧である。
己の心にある未練、執着、ありとあらゆるものを斬り捨てた者のみが、
前に進んで行くチケットを配給される厳しい修羅の世界に修練家は所属する。
虚像の宗教世界を通過して、本当の宗教世界に行けるかが、いま問われている。
いずれにせよ。答えを出すのは、本人以外にありえない。
<関係ページ>
*これらのイーメールの公開は、掛川氏、阿藤氏の了承に基づくものであります。