『玄空飛星派風水大全』②虚実

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 いよいよ、今月の1月20日に『玄空飛星派風水大全』が発売されます。

 自著としては初の理気の専門書であり、全ページフルカラーで648ページのハードカバーとなっています。

 この本をご紹介するにあたって、『玄空飛星派風水大全』の18ページある「エピローグ」から順次掲載いたします。

  

虚実

 もし、あなたが「伝統風水」を名乗る風水師に疑いをもったのならば、その人に先生は誰かたずねると良いでしょう。本来伝統社会では、先生である老師の名前こそが、その人たちの術や系譜及び、その人たちの社会的な信頼を反映するものであるからです。

 社会的に認知され、尊重された人徳者である先生の弟子ならば、一定の信用も勝ち得るものですが、その逆もしかりで、先生が悪徳で放蕩な人間ならば、その弟子もまた同じような人間であると見做されるでしょう。ましてや、自分の先生の名前を答えられない、あるいはそれが架空の人物ならば、その人は嘘をついているのであり、その時点で信用できないのは自明の理です。

 本書の「第7章 鑑定の実例」で示した数々の実例は、日本での偏見に満ちた伝統風水の評価を覆すのに相応しいケースとなっています。

 世間一般の理解する伝統風水の概念や適用範囲である、「マンションには不適合だ、金魚を飼わなくてはいけない、水槽を置かなくてはいけない、お札を貼らなくてはいけない、風水アイテムや化煞雑貨を買って置かないと救われないし改善されない」などといったことは、すべて迷妄と誤解にすぎず、全部出鱈目なのです。

 これらの「伝統風水」に対する誤謬と嘘を看破し、何が正統な「伝統風水」であるかを知るためには、伝統風水師を名乗る人の先生の名前を聞くだけで、その虚実は明らかになるのです。

 しかし、ここにも落とし穴はあります。私が書き綴った鑑定例の中には、「伝統風水」を標榜する悪質な霊感商法風水師たちがかかわったものもあります。ここで紹介した霊感商法風水師のレベルは実にお粗末なもので、風水が良い効果をもたらすものだけではなく、一歩間違えれば悪い効果をももたらす危険があることが理解できたでしょう。皆さんが詐欺被害に遭わないためにも、本書を十二分に理解して、霊感商法風水師に対する免疫力を飛躍的に高めることが必要です。

 こういった霊感商法風水師たちに共通しているのは、クライアントと二人きりのときや営業として自分に箔をつけるためには、先生が聞いていないところでその名前を騙ったりすることです。私が本書で弁護士にリーガルチェックをお願いしてまで、あえて悪質な霊感商法風水師の実態を書き示し、白日の下にさらし糾弾したのは、人々に用心してもらいたいという公共心のためであります。

 また、こういった霊感商法風水師の中には、私の名前を騙り、私を利用しようとしていた詐欺師までいました。その中で、私が一番ショックを受けたのは、私のブログとリンクしていたからという理由で、その詐欺師を無条件に信じてしまい被害に遭った人がいたということでした。事の発端は私にあると、被害者から私が追及されたことは悲しむべき事態であり、私は即座にブログのリンクをすべて削除し、その方のために、その案件を再度鑑定し直しただけでなく、次の引っ越し先の面倒も見ました。

 詳しくは本書の鑑定ケースをご覧ください。

 この霊感商法風水師は、実際私の通信講座の受講生で、電話で何回か話したことはありますが、それ以上の面識はありませんでした。ですから、私自身も正直被害者に出会い、その霊感商法風水師の鑑定書と手口を見るまで、その人間の風水技術の稚拙さや悪徳さを見抜けなかったというのが実情です。

 しかも、電話での語り口では、私に敬意を示しましたが、目の届かないところで相対する鑑定客に対しては、私を貶めるような嘘をつき悪事を働く、二枚舌の人間でした。こういった小人(しょうじん)は、仁徳や教養、勇気、節制をもっていないために暇を持て余し悪事に手を染めてしまう「小人閑居して不善を為す」の典型であり、こういう小人には絶対理解できないのが玄妙なる世界であります。

 私は、通信講座の未配信分の料金を返金し、即座にこの人とは縁を切りました。こういう悪人に私の名前が騙られるのは不本意なのは言うまでもありません。

 本書を通じて私が示したかったことは、皆さんが、風水をどのように生活に取り入れるか、そして如何に有意義なものとして風水を実用できるようになるか、というテーマと想いが強くあったからです。

 しかし、それとは裏腹に風水師を騙る人たちが、私腹を肥やすために人々を騙し、利用し、不幸にするだけの詐欺商法の手段として風水を騙っている実態にも気づいてほしかったのです。 

 

  

 「エピローグ」は、次の七つのトピックで構成されています。

 ①伝統というつながり
 ②虚実
 ③世界に拡がる伝統風水
 ④玄空と元空
 ⑤本書について
 ⑥風水と私のかかわり
 ⑦時代は変わって

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