先月、アルカノンセミナーでの『擇日万年暦』講座を終えて、一ヶ月が過ぎましたが最近までずっと補講講義について考えていました。
この講義は幅広い擇日の中でも「玄空大卦擇日」に絞った講義でした。私自身が開催するセミナーでは参加者は風水山道通信講座受講生を対象としており、学習がある程度進んだ人達なので容赦なく速いテンポで講義できるのですが一般セミナーとなると異なります。
その日どういう参加者が来るのかわからない。そして、朝を迎えて皆さんの顔を一通り見回して、今日やる内容を説明して、その上で必要な概念を幾つか質問し、わからない人がいればそこがスタート地点になります。もちろん、初心者歓迎の講座なのでスタート地点は全く問題にはなりません。問題となるのは、教える方の私が当初意図していたラインにたどり着けるかという精神的なマラソンが始まります。(笑)作り込んだテキストの量は100ページにも及んでいましたから。
そして、アルカノンでの玄空大卦擇日を終えて自宅に戻っても、引き続き不足した説明のことなど、色々と考え、私の中でセミナーの用意はセミナー終了後も続いていました。
セミナー終了後に玄空大卦擇日の不足した説明、とりわけ「山道帰一はこう考えている」という部分についてもっと強調しても良かったかなと反省なども踏まえていました。
玄空大卦擇日、未だにそのヴェールは完全に剥がされていません。清代以降の後発のジェネリック薬のような擇日ということと、歴史の浅さと、そして秘伝主義による古典の読解の非公開があいまってその多くが有効に活用されていないという実情を感じます。
本来、一日セミナーという限られた時間の中で課式と解釈が二つできるようになればという思いで講義しましたが、なかなか参加者の多くにとって一日でマスターは厳しく、私もリミッターを解除できないまま自宅にもどって「そうだ!補講講義を書こう!」と思い立ち早一ヶ月過ぎ、「山道帰一は玄空大卦擇日をこう考える」部分を前向きに出し、香港・台湾、色々な玄空大卦擇日がありますが、私の使っている方式をご説明するのに相応しい補講資料を書き上げました。「難しい!」と言われることも承知で、実例ケースも三つほどご用意しました。ページ数も60ページ弱。
これにてやっと自分の中でのこの一日セミナーが終わったのです。随分と長い一日セミナーだった気がする。(笑)
人はこの様なことをアフターサービスなどと思うかもしれませんが、そんなことを言うほど偽善者ではないので、敢えて一言で言うのならば「自己満足」です。と言うのも参加者が参加して有意義だった。学んだものが役にったったと思われてこそ、一般セミナーを開く意味があるというものです。そのためにはある程度の水準まで指導しないとダメですね。
さてさて、今月は内部生向けの玄空大卦風水Ⅲの応用講義があるのでまだまだ執筆が続きます。自分が納得するものを書き上げてこそ講義資料としての価値があります。そして出版物とは異なり自分の好きに書けるものであり、難易度も受講生向けということで講座を受けたことを前提で書くのでかなり高めに書いていくことができます。そのようなものであってこそ学ぶ生徒さん達にとっても価値があるものだと常々思います。
そして、その価値とは学んだものが人生でどう活かせるかということにあります。理論があって実践ができます。理論なき実践は実践ですらありません。実践は文字でも表現できます。実際の鑑定ケースなどがそれに該当するでしょう。
今回の玄空大卦擇日補講講義ではまだ未解決の事件を擇日で読み解いたりしています。一瞬のタイミングのズレが生死を分かつことが多い世の中のケースを見る度に時間を選ぶことの大切さを痛感します。