2024年10月 9日 (水)
【鍾福堂】 通書2025年版
【鍾福堂】 通書 2025年版
発売のご案内です。
【鍾福堂】 通書 2025年版が、10月17日に発刊されます!
2025年度版【鍾福堂】通書は、通年より1か月早く発売されます。2024年度版が今年の6月には既に売り切れとなっていたため、2025度版も早い段階で売り切れとなる可能性がありますので、ぜひお早めにお求めください。
【鍾福堂】 通書 2025年版ですが、今年もさらに進化してパワーアップしたポイントがいくつもあります。
まず、日々の「日暦」(ひごよみ)から、これまでの2024年度版まで採用してきた「烏兔時辰表」の欄を削除し、新たに「日常用事早見表」なるものを入れました。
「烏兔太陽日時」「烏兔太陰日時」は、「日暦」の「吉神」欄で見ることができるため、その他の重要度の低い星辰の時辰表まで掲載している「烏兔時辰表」 を刷新させました。
日常用事早見表
読者からの声として、日常生活で使用頻度が高い代表的な五つの用事を早見表にしました。この早見表により、吉事・凶事の中から使用頻度の高い五つの用事を探す手間を省き、即座に5段階評価で判断を示しています。
◎ 大吉:該当の用事の運勢や縁起がこの上なく宜しいこと。
〇 吉:該当の用事の縁起が宜しいこと。
△ 平:平らかで穏やかな状態なので今の状態を保つのが宜しい。
× 凶:該当の用事の縁起が悪い。
×× 大凶:該当の用事の運勢や縁起がこの上なく悪いこと。月破の日。
早見表に記された使用頻度の高い五つの用事に対する、これらの五段階評価を参考にしていただき、日選びに活用してください。
開市……新しいビジネスの開始日、新しい会社の開業日。
立券交易……商品、品物の売買に関すること。商品の販売日、契約日にも良い。
修造動土…… 住宅の建築に関すること。地鎮祭の日取り。建築の施行、着工をする日。ガーデニングの土いじりなども含む。
嫁娶……結婚、結婚の日取り。
出行……外出から旅行までお出かけに関すること。旅行、乗船、乗り物の搭乗、観光、出国の出発日。
これまで、これらの常用用事が・・・
「娘の結婚式を選びたいのに二か月くらい結婚式の吉日が出てこない」
など、主要な用事が吉となる日が二か月に一回も出て出来ないなど、これまでの日暦は厳しすぎる日暦だったため、主要な五つの用事に関しては、その審査方法と基準そのものを見つめなおし作り直しました。( ノД`)シクシク…
また、これまで使用頻度が低かった「烏兔時辰表」をあらためて、即座に重要な用事の日取りを選べるように新しい欄「日常用事早見表」を設けました。
これによって、「開市」「立券交易」など、ビジネスで必要な用事が、忙しい人々も即座にビジネスで有利な日選びが可能になりました。
大幅な改善によって、忙しいビジネスマンが文字が小さい吉事と凶事を虫眼鏡でにらめっこして
「よし!この日は凶事に開市が載ってないから大丈夫だ!我が社の新作発表を!」
ということが多くの人に多々あったことでしょう。( ノД`)シクシク…
そういった作業から解放されるだけで、「日常用事早見表」は価値があると思います。
特に【鍾福堂】 通書は、「擇日」(日選び)の目的とする用途を「方位」と「時間」の二つの概念に整理し、見やすく使いやすく編纂してあるところに特徴があります。これは対本で発行されている通書にもない新たな特徴であり、緻密な精査と分類によって作成されています。
また、日々の研究から得られた成果を毎年の通書に込め、年々パワーアップしていけるように精進しております。2025年度版のどこがパワーアップしたのかを毎年購入している通の皆さんに発見してご愛顧いただければ幸いです。
はじめに
「日を択(えら)ぶ」ことを「択日」といいます。「択」は「擇」の略字です。「択日」という表記では、この「日を選ぶ」ことの重みが伝わってこないので私は好んで、「擇日」と表記しています。「擇」の本来の意味は、「よいものを選び取ること」です(大漢和辞典)。
日を選ぶのに際して、「よいもの」とは何でしょうか?
多くの人は、「吉日(きちじつ)」を挙げることでしょう。
それでは、この「吉日」とは何でしょうか?
一般的には、「めでたい日。運のいい日。縁起のよい日。物事をするのに、日取りのよい日。」などとされていますがふとここで疑問に思うことがあります。
運のいい日とか、縁起のよい日とか、そもそも何なのか?
そもそも、どうやって決まるのか?
というのも、多くの人がこのような質問に答えられなくても、慶事(結婚や出産などの喜びごと)の手紙や文章の中で、この「吉日」という言葉を日常で使っているからです。しかし、縁起が良い日、またそのような日がどのように定められているのかを多くの人が知りません。
ここで文化が大きく関係してきます。日本文化の中で、縁起のよい日、つまり「吉日」として慶事の手紙にしたためたりされるのは、「大安」「一粒万倍日」などが有力です。これは日本でのみ適用される「吉日」です。
しかし、私たちは縁起の良い日なるものを考えるのに、果たしてその日は本当に吉日なのだろうかと、もっと縁起について、ついつい気にしてしまうのが人の心理であり、探求心ではないでしょうか。
縁起が良い日がどのように決定されるかを具体的に答えるのが「日を択ぶ」ことである擇たくじつ日学です。そして、擇日学によって割り出される日々の縁起を誰もが手軽に読める便利帳にしたのが「通書」なのです。
本書では、中国で研究され毎年刊行されてきた一年365日の「日選び」の縁起について説明する「通書(つうしょ)」の世界を皆さんに伝えたいと思います。これは日本初となる日本語版「通書」となります。
本書「鍾福堂通書(しょうふくどうつうしょ)」について
鐵筆子の嫡男として、鍾進添老師は父上の鐵筆子と共に1968~2002年まで毎年発行していた『鐵筆子民暦』(五福堂)は、台湾では非常に有名で人気がある通書でした。この『鐵筆子民暦』のような素晴らしい擇日文化が継承されずに途絶えていってしまうのは非常に残念なことに思い、弟子であるわたくしが、このような「日選び」の文化を日本に文化伝播したいと考え、この度、日本で通書を発行することになりました。また、鍾進添老師には日本で通書を発行するに際して、通書の習わしである、その通書の正統な系譜である、誰から学び伝授されたかをあらわすものとして、書名を命名してほしいとお願いしたところ、鍾進添老師のお名前の一字を使わせていただく許可を拝受し、「鍾福堂通書」と命名していただきました。
五福堂から鍾福堂へ、鍾進添老師から山道帰一へと伝えられた擇日文化をより多くの人たちが有意義な「日選び」をする文化として享受し、「時間」の縁起を推し量ることができるようにという意図が成功していることを願ってやみません。
日本で発行する唯一にして初の通書である本書の作成に携わってくれた弟子であり、鍾福堂のメンバーである河野宗智、大槻直子、武藤茅末、高橋多恵子、織路由麻、内山美樹、編集の初鹿野剛氏に感謝申し上げます。
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コメント
流財・財離というお金を使わないほうがいい日を知りたくてこちらの通書を購入しました。
しかし、ざっと見たところ書かれていないようです。
詳しいYoutuberの事務局に問い合わせたところ、台湾版の通書には、流財・財離が掲載されているようですが、翻訳する際に削除したのでしょうか?それとも私の見落としでしょうか?
もし宜しければメール頂けると大変うれしいです。
土橋健太郎 |
[URL] | 2024/11/08 17:00:12
財離についてはこちらに説明しています。もう、13年前に書いています。
http://blog.yamamichi.org/2011/10/post-774f.html
> 流財・財離というお金を使わないほうがいい日
何か勘違いがあると思うのですが、流財は「退財」(財をなくす)という解釈ではありません。例えば、『選擇求真』という擇日の古典では次のように書かれています。
流財者,財星流行之義,與月財相似,非退財也。用之得法,反主進財,所謂捉著流財財便發是也。
流財とは、財星が流行するの義である。月財と相似する。退財に非ざる。これを用いて反って進財(財が入る)ことを主る。所謂、流財を捉えて財は便ち発する。
このように台湾版の通書を参考にする人も多いとは思いますが、そもそも、その(誰かわからないですが)Youtuberのように、鍾福堂通書に財離が別名で書かれているのに、書かれていないと思い込んでいるように、一つ一つの神殺の原理から意味について正しく理解していない人が多いです。
また、それぞれの通書の発行元が違うように、それぞれの通書に通書作成者の意図があり、選択する神殺も異なります。古典ごとに同じ名前の神殺ですが、意味が全く異なることもあります。そもそも、全ての通書が全く同じ神殺しか採用しないのならば、毎年異なる発行者や作者が通書を作る意味がありません。
この様に「通書」とは作成者たちが、どういう系譜でどういうことを伝統的に習って来て、どういう神殺やまたその神殺との相性を採用するかは、どういった古典を根拠にしているか各派によって異なるわけです。
例えば、『協紀辨方書』では、選択する事項の「用事」として、「御用六十七事」と「民用三十七事」が記載され、根拠はそれまでの既刊『通書』などに掲載されていた「通書選擇六十事」などを挙げ、通書の「用事」の用い方にも「御用」「民用」の違いがあったことも指摘しています。
そのため、「通書」は伝統の習わしとして、表紙に系譜を書いています。例えば、台湾は「洪潮和」の系譜をうたうものが多いです。ちなみに、鍾福堂通書は「五福堂」(鐵筆子→鍾進添老師→山道帰一)という系譜です。
私だったら、何の伝統的な系譜にも属していない人のいう言を無条件に信用したりはしないです。
だから、いつも皆さんが変な詐欺に遭わないように、一つだけ注意することを教えています。五術の伝統社会ではその人のバックボーンがどういうものかは、その人がどういう老師(先生)から学んだかで明らかになるからです。
つまり、「あなたの先生は誰ですか?」と聞いて答えられなければ、少なくとも数世代にわたる系譜を持つ、五術の伝統社会の人間ではない独学の人間だということです。
転売ヤーのように台湾版通書を国内で売っている人たちが、自身の売っている、その通書の内容を理解していなくても、何ら不思議はないです。というのも、当然その通書の系譜でもなければ、恐らく何のバックボーンもないのですから。
山道帰一 |
[URL] | 2024/11/09 7:44:29
詳細にご回答ありがとうございます。
とても勉強になります。
誰を師に持つかということが大切なのですね。
私は、実業家でビジネスやプライベートに通書を生かしていきたいと思い購入しました。
占い師になりたいわけではありません。
通書の中身は興味がありますが、いまのところ詳しく勉強する時間が取れるわけではないです。
財離についての記事もありがとうございます。
財離は、著者の先生の本でいうところの、「九坎空焦」というのが書かれているのが当たるのでしょうか?
>流財とは、財星が流行するの義である。月財と相似する。退財に非ざる。これを用いて反って進財(財が入る)ことを主る。所謂、流財を捉えて財は便ち発する。
というのは、私は頭が悪く難しいのですが、流財というのは、財産が出ても入っても来る日という意味でしょうか?そういう意味では、お金を買い物やビジネス投資などに使ったほうがむしろいい日ということでしょうか?
また、先生の本の中で、流財は、どんな表記で書かれているのでしょうか?
土橋健太郎 |
[URL] | 2024/11/13 16:31:53
> 財離は、著者の先生の本でいうところの、「九坎空焦」というのが書かれているのが当たるのでしょうか?
はい、そうです。
> また、先生の本の中で、流財は、どんな表記で書かれているのでしょうか?
『鍾福堂通書』では、「流財」は、「流財方」として、「年流財」(年単位の方位)、「(月)流財」(月単位の方位)、「流財星」(月単位の方位)の三つの方位として扱っています。その説明は492、502ページを見れば載っています。
> 流財というのは、財産が出ても入っても来る日という意味でしょうか?
> そういう意味では、お金を買い物やビジネス投資などに使ったほうがむしろいい日ということでしょうか?
恐らく質問したい内容の対象は、いわゆる「日流財」という月支から日支を看て出す日家神煞のことと推察されます。鍾福堂通書では、『欽定協記辨方書』※『選擇通德類情』と同じく、「日流財」を採用していないです。
※『欽定協記辨方書』では「支退流財」を扱うがこれは
「日流財」は明代朱權(1378-1448)所編の『臞仙肘後經』に見出すことができます。
その内容は、次の用事を忌むと書かれています。
・買田地房產一切交易:土地、不動産の購入
・納財取債:貯金、納税
・出財放債:借金
> また、先生の本の中で、流財は、どんな表記で書かれているのでしょうか?
鍾福堂通書では、「日流財」を清代の『欽定協記辨方書』『選擇通德類情』と同様に採用していませんが、その意味は各日家凶神に散っていると言えるでしょう。
そのため、次の様に答えるとわかりやすいかと。つまり、「日流財」は、次の日家凶神の名前で実際には『鍾福堂通書』に書かれています。
農暦月 月支 日流財 日家凶神
正月(寅月) 亥 劫煞
二月(卯月) 申 劫煞
三月 (辰月) 巳 劫煞
四月 (巳月) 寅 劫煞
五月 (午月) 卯 天火
六月 (未月) 午 天火
七月 (申月) 子 死気官符
八月 (酉月) 酉 天火
九月 (戌月) 丑 月虚(月殺)
十月 (亥月) 未 往亡
十一月(子月) 辰 死気官符
十二月(丑月) 戌 鬼隔
農暦の正月(寅月)に、『鍾福堂通書』で「劫煞」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の二月(卯月)に、『鍾福堂通書』で「劫煞」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の三月(辰月)に、『鍾福堂通書』で「劫煞」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の四月(巳月)に、『鍾福堂通書』で「劫煞」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の五月(午月)に、『鍾福堂通書』で「天火」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の六月(未月)に、『鍾福堂通書』で「天火」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の七月(申月)に、『鍾福堂通書』で「死気官符」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の八月(酉月)に、『鍾福堂通書』で「天火」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の九月(戌月)に、『鍾福堂通書』で「月虚(月殺)」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の十月(亥月)に、『鍾福堂通書』で「往亡」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の十一月(子月)に、『鍾福堂通書』で「死気官符」と書かれているのが「日流財」です。
農暦の十二月(丑月)に、『鍾福堂通書』で「鬼隔」と書かれているのが「日流財」です。
また、同じ「流財」と名前がつくものだけでも、『鍾福堂通書』が扱う年家凶方の「年流財」、月家凶方の「(月)流財」と「流財星」の三つの「流財」が名前としてつく方位、更には『欽定協記辨方書』で扱う「支退流財」という年家方位、そして、『臞仙肘後經』では「(日)流財」という日家凶神といった具合に、異位同名のものがたくさんあるのです。
結論として、他所の通書に掲載されていて、こっちには掲載されていない、また逆にこっちに掲載されていて、あっちの通書には掲載されていないなどと言われても、通書ごとに何の神煞を採用し、何の神煞を採用しないかは全て作成者の採用する古典から意図に到るまで全てが異なっているわけです。そのため、台湾だけでも今でも何十種類も作成者が異なる「通書」が毎年発行されているわけです。全て同じ内容ならば「通書」は一種類だけあれば十分でしょう。
山道帰一 |
[URL] | 2024/11/14 3:23:40
とても丁寧に説明して頂きありがとうございます。
通書ごとに、異なる採用をしているということは知りませんでした。
流財が、先生の本では、そのまま使われていないにもかかわらず対応した凶神を月ごとに教えて頂きありがとうございます。
参考にさせていただきます。
最後にもう一つだけお聞きしても宜しいでしょうか?
>「日流財」は明代朱權(1378-1448)所編の『臞仙肘後經』に見出すことができます。
>その内容は、次の用事を忌むと書かれています。
>・買田地房產一切交易:土地、不動産の購入
>・納財取債:貯金、納税
>・出財放債:借金
ということは、買い物やビジネス投資にお金を使うことは良くないとは言っていないということでしょうか?
Youtuberの方の言っていることと違うので、何でも信じたらいけませんね。
土橋健太郎 |
[URL] | 2024/11/16 21:48:54
> ということは、買い物やビジネス投資にお金を使うことは良くないとは言っていないということでしょうか?
はい。『臞仙肘後經』に書かれている説明のとおりで、何でも買い物関係全般全てに良くないなどと一言も書かれていません。あくまで、買い物の中でも、「土地、不動産の購入」が宜しくないということだけです。
また、「ビジネス投資にお金を使うことは良くない」という文言もどこにも見られません、あくまでも「借金」が良くないので、証券会社から資金や株式を借りて売買を行う信用取引などは宜しくないという解釈になるだけです。
> Youtuberの方の言っていることと違うので、何でも信じたらいけませんね
ちなみに、そのYoutuberが誰か知りませんし、興味も無いですが。質問内容から察するに、根拠となる出典もなく、漫言放語だけのYoutuberを信じるのはいかがなものかと。少なくとも私はここまでに、全て根拠となる出典を明確に示しています。
次回からは、私ではなくそのYoutuberに根拠となる出典はどういった古典であり、どこを引用して、どう翻訳して、どうやってそういった解釈になったかを詳しく聞いてみるとよいでしょう。その一連の過程から、適当か、妄想か、或いは嘘かが明確になるはずです。
山道帰一 |
[URL] | 2024/11/17 0:21:04