四柱推命とは何か
1.「命式」~四柱推命が人を判断する方法~四柱推命の価値基準
※ 四柱推命では運が何に変換されるかによって、運の良し悪しを判断していることを知ることは大事な問題です。
四柱推命で言う運の良し悪しについて四柱推命は、中国における明代に社会の表に現れ、清朝にかけて、民間でも大流行した占術です。そして、清朝は、中国の王朝史上最大に物質的に栄えたとされています。この時代に現れてくる考え方を反映したのが、四柱推命で、四柱推命が判断する運とは、「物質的な恩恵による幸福」という、いわば少し唯物的な思想を含んでいます。
もちろん、それが全てではないのですが、「物質的恩恵」の量を推し量る視点が、最優先項目に来ている点は否めません。
例えば、その四柱推命のスタンスを顕著に表す例として、ある女性の命式を見て、「命式・大運」ともに素晴らしいはずなのに、その女性は、DVに悩まされ、日々だんな様に殴られて、精神的に非常に不自由な生活を送っていました。
何故、四柱推命でこんなにも一致しない出来事が起きるかと言いますと、その女性の結婚前よりも、結婚後の生活のほうが、「経済」的に豊かになっていますと、四柱推命では、運が良いと判断してしまうことも多いのです。
2.「行運(大運・年運)」~時間の変化と運の変化(情報の変化)
時間の変化と運の変化=情報の変化。
四柱推命では、人が決して変える事の出来ない出生時間と出生場所、二つのデータに基づき、人の個人的な持って生まれた時点での情報を「命式」と呼びます。そして、ここからわかることは、その人間の人生の30%ほどのウェイトを占めます。
また、その持って生まれた情報(命式)が、時間の流れと共に、変化します。それは、喩えるならば、新聞と同じで、今話題のホットなニュースもあれば、誰もが忘れてしまった小さな記事に至るまで、全て情報という点において同じなのです。つまり、その人の情報がどのように変化してゆくかは、新しい記事は覚えているけれども、古い記事は忘れ去られるのと同じで、人間の記憶も、また時間の経過とともに変化して行くことがわかるでしょう。それは、情報の整理とも呼べ、これを四柱推命ではもって生まれた情報(命式)が、時間と共に、経験と学習を載せて変化して行くこと考え、この持って生まれた情報(命式)の変化を「造命」といいます。
つまり、よく使う情報と共に生きて行くというのが人間の特徴で、自分の家の位置を忘れたら家に帰れません。そして、記憶の変化に見られる様に、その人間にとってどういう情報が必要で、どういう行動を起こすかを先天的情報(命式)と時間の変化(行運[大運・年運])に照らし、その人間が持ってきた情報の整理されたもの(造命)の三点を照らし合わせることで、四柱推命はより確実性を増します。命式に与える影響の強さは、大運が70%で、年運が30%位の強弱で考える必要があります。
3.「造命」~人が四柱推命を判断する方法(変化する個による価値基準)
※ 時間が投げ与える変化による思考(嗜好)の変化=価値基準の変化。
我々の人生では、これまで、善と考えていたことが、悪に思えたりすることもあり、その逆も、よく起こる我々の感情的な気分の変化に至るまで、我々自身の価値基準は、時間の変化と共に変化し続けます。
四柱推命による判断は、対象である人間の価値基準により、変化します。ある人が、物質面に重きを置いたりすることもあれば、精神面に重きをおいたりする場合もあるというように、その人間の価値基準が精神的なものか物質的なものかによって、四柱推命の価値基準と照らし合わせ、精度や内容は、変動します。また、この価値基準である両面は、常にどちらにウェイトをおいているかは、時間の変化にあわせて変化して行くことも複雑さを増します。それは、ある時期は、物質的な人間がある時期を通して、精神的な人間になってしまうことは、よくあることです。つまり、①命式と②行運によって導き出された経験則を時間の変化に十干十二支の時間に記号をつける符号付けをします。そして、鑑定対象となる人間の幸・不幸が、どういった主体性に根ざしているかを「精神」か「物質」かの判定分けをしなくてはいけません。その結果、四柱推命という時間を記号に置き換えて、経験則を符号化し観察される対象となる人間の主体を導き出し、精神によいか悪いか、物質面によいか悪いかで、吉凶を割り出して、初めて幸・不幸を論じるのが望ましいでしょう。何故ならば、物質的な恩恵にあずかることが出来ずとも、幸せな人もいますし、精神的な苦悩があろうとも、物質的に豊かであるほうが大事であると考える人もいるのですから。
つまり、時間に意味を持たせる、また意味は過去の時間軸において経験則を持ち、もって生まれた運(命式)が、時間(行運)を経過して、造りかえられるという情報の更新が、「造命」と呼ばれる四柱推命の考え方です。つまり、四柱推命が分析を開始しようとする対象の人間の今現在持ちえている価値基準を①命式と②行運によって、特定して行くのです。特定された時間に楔を打ち込まれ、意味を持った情報の集合体である人間が、どのような指令系統を持ち、活動しているかを判断することが、その人間の価値基準を判断することであり、造命を観ることになります。
四柱推命の三つの視点の関係性
15% ①命式・・・人間の持って生まれた運の性質→もって生まれた情報
→行動様式や思考様式の傾向性がわかる。→嗜好
15% ②行運・・・人間の時間の経過による学習による変化(大運・年運)
→思考にもたらされる情報→過去の経験によって学習し、吸収する情報が変化し、思考を形成する。→志向
40% ③造命・・・人間の経験と学習を経た時間と運の性質を合わせた変化
→どのように情報が整理され、思考が形成されたかがわかる。→思考
※ 上図のパーセンテージは、人生の中でのウェイトです。①命式と②大運で四柱推命は完成します。そして、経験と学習を盛り込んだ①と②のトータルの姿である③は、40%と非常に人生の中で大きなウェイトを占めるのです。
①と②を知れば、③造命と呼ばれる人間の情報がどう整理されて行くかが判断でき、思考がわかるということになります。それに基づき、①命式と②行運の混ざり具合を慎重に再判断することで、より正確な鑑定が行えます。
また、四柱推命と呼ばれる①命式と②行運の主体性は、あくまで、対象とされる人間自身の個における思考形成である③造命を成り立たせます。つまり、その人の思考そのものが、自分の人生をクリエイトすると四柱推命では、考え、サポートしているのです。