2008年11月22日 (土)
長い夜を越えて
思えば楽なことなど一つもなかったが、そんなに苦労したという感じもしない。
というのも、互いに支え助けあっていたからだ。それは鼎の足が如きものだった。
もう、ここに踏みとどまるのに大した時間は必要がないくらい時は間隔を狭めて迫ってくる。
潮流というのは、怖いもので、もがいても、もがいても孤島を離れられず。
我々もまた孤独を離れられずにいる。
やはり、この長い夜を越えるには、互いにとことん信頼しあうしかないと知った。
それには、信頼に足る心を磨き続けるしかない。
信頼しあう素地を作りたいと切に願った。この願いが、叶う事などないとさえ思ったが、尋常ではない運命の潮力が働く。
もう、この奇跡を疑うことをやめよう。己の内なる世界に語りかけてくる声にもっと耳を貸そうではないか。
唯一の武器は信頼しあう力である。それは、心の鏡。磨かれた心が放つ光明。光明を扱いこなせる人間にならなければならない。武器の扱いを間違えれば、傷つくのは自身である。
今は、祝いたい。しかし何のために? 我々は古人が残した呪われた運命を越える。
------------------------------------------------------------------------
長い夜を越えて
神聖なるものが 欠けたことが わが頭の上に 荷となりのししかかり
過去の因習に捕らわれ 毒に侵された亡者となって彷徨った夜に
大地は熱を失い 人の温もりまでが 忘却された長き夜に 最後の歌を
ラ・ラ・ラ・ララ・ラ~ ラ・ラ・ラ・ララ・ラ~
ラ・ラ・ラ・ララ・ラ~ ラ・ラ・ラ・ララ・ラ~
この夜の帳(とばり)は 絶叫と共に切り裂かれ この夜たちを越える
一つの驚異の力が 地下に沈んだ者たちを強い
再帰して 青む地上を巡り歩かせようと 語りかける
わが胸の戦(おのの)きは 常に高鳴り 胸を押しつぶし
向かう先へと 蠢(うご)めき続けるために生かされ
かつては違っていたであろう 大いなる過去から
呼び戻された この古き心は 昔のように高雅なことを語る
ダニエル
------------------------------------------------------------------------
祝いたい しかし何のために? ひとと声を合わせて歌いたい
だがこの孤独にあって 神なるものの一切 私には欠けている。
これこそわが弱み。呪いがわが腱(すじ)を違(たが)え
足を踏み出す途端に薙ぎ倒す。
かくして私は 深く書くに一日を過ごし 子供のように押し黙り
ただ目から冷たい涙が ひっそりとこぼれ出る。
野の草も鳥の歌も 私の心を重たくする。
それらが喜びを伴う 神の使いである故に。
わが胸の戦(おのの)きには 生気を与える日輪も
冷たくいたずらに 夜の光めいた仄明かりを漂わす。
ああ 天はさながら獄舎の壁 空しく甲斐もなく
わが頭の上に 押しひしぐ荷となってのしかかる!
「メノン ディオティーマを悼む 5」 ヘルダーリン
にほんブログ村ランキング
トラックバック
このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/327284/17171738
コメント
山道様
昨日は、「清品茶房 茶通」のお店にて、初めてお目にかかることができ、たいへん嬉しく思っております。
いつも、ブログで後姿ばかり拝見しておりましたが、立派な青年実業家ぶりにちょっとドキドキです。
お忙しい中、お店の方から、非常に真心こもったおもてなしで、数品のお茶をお美味しく頂戴致しました。
社員の方に有り難うございましたとお伝えください。
また、過分なるご配慮とお気遣いありがとうございます。
故張明澄先生から「字曼陀羅」を頂きました時に、張先生独自の書を教えて頂くことと、茶の作法を教えて頂く予定でしたが、叶わずじまいでとても残念でなりませんでした。
渋谷東急ホテルの「坐忘」で、こんな名前をつけると回転が悪くなる、と、先生のお話を聞きながら、一緒にお茶を頂いたことを思い出し、懐かしさに浸り、味わいながらご賞味させていただきました。
また、亡き張先生のご霊前用にと、特に逸品をお勧めくださいまして有り難うございます。
この次は、オバタリアン三人で、またお美味しいお茶を戴きに伺います。
また、別の機会にゆっくりと一杯飲みたいですね。
お魚のおいしい居酒屋あたりで・・・
お暇な時間がありましたら、若い娘さんでなくて申し訳ございませんが、お誘いください。
「長い夜を越えて」で、山道さんの純粋なお気持ちが伝わっています。
もう、山道さんは、貴方がやるべきことはする「使命」のお導きを歩み始めています。
また、皆様に〝守られ〟一人ではありません。
お互い、切磋琢磨しながら「志」をめざしましょう。
合掌
南華
南華 |
[URL] | 2008/11/22 15:18:32
南華さま
先日は、遠方よりわざわざいらしていただき、ありがとうございました。
最近では、お店にいるこことも、めっきり少なく、月に一二度くらいしか、茶通にはおりませんが、奇遇なことに、打ち合わせを茶通でしていた折に、南華さんがいらしたので、びっくりいたしました。
奇遇な偶然が重なるものでございますね。
来年から、始動する「綾部補完計画」は、風水は言うまでもないのですが、風土、景観、環境、建築、林業、農業、市場、流通、観光、IT技術、資本の調達など様々な多岐にわたり、とても、一人でカバーできるものではありません。
南華さんが偶然にも来てくれた時は、その打ち合わせの真っ最中で、皆で将来の展望を語っておりました。
様々なエキスパートの人たちと、手を取り合いより堅固なものにするために日々奔走する毎日です。
それは、霊的な側面と物質的な側面の双方により、見直しが図られます。
ぼくが担当するのは、目に見えない部分と人に伝える新しい人間のライフスタイルへ向けた思想です。
一つの終わりかけた村を復興させるのは、技術ではなく、情熱であり、思想だと思っております。
燃やして照らさないと、自分自身を燃やしてしまうような恐ろしい命式の100Wなので、日々、神火を燃やして、識に昇華できるように努力する日々であります。
なかなか、日々忙しく慌しく過ごしており、来ていただいた折りに、色々とお話ができる時間を作れずに、申し訳なく思っております。
また、機会を改めて、私の功夫茶で、皆様とお茶を楽しめたら幸いであります。
渋谷東急ホテルの「坐忘」は、私もよく利用する場所で、お茶がまずいのですが、雰囲気は割りと気に入っています。確かに回転は悪そうですね。
南華さんの決め細やかなお心遣い、真に痛み入ります。
私の果たさなくてはいけない責任は、私だけのものではないと痛感する日々です。
項目が多岐にわたるのですが、一つ一つベストをつくします。
皆で、がんばっていけたら幸いです。
合掌
山道帰一
ダニエル |
[URL] | 2008/11/24 4:18:10