終電もなくなったころ、ウォーターと恵比寿のアイリッシュバーで、ビールを飲みながら語る。
二人は、無言にタバコを立て始める。指一本で、五本をクリアーする姿に感銘を受けたウォーターが、店員さんも呼んで来て、皆で盛り上がる。厨房の人も出てきて魅入る。店に楽しい雰囲気が流れ出す。
メニューにないこの店のカルボナーラは、最高だ!
酒の肴も、タバコを倒すのも飽きたぼくらは漫談に耽る。
ダニエル:「だからさぁ、世界には大きな四つの力があるわけよ。」
一、経済力・・・経済、お金という象徴によって人を支配する力。
二、政治力・・・立法、権力による人を拘束する力。
三、軍事力・・・暴れまわる、暴力。人を殺傷する力。
四、思想力・・・思想や宗教が人に与える影響や人を変える力。
ウォーター:「四つは関係しているんですよね。じゃあ、オレは経済力を鍛えよう」
ダニエル:「無理だろうね。」
ウォーター:「どぼぉぢぃて。..(✿ฺ。 ✿ฺ)」
ダニエル:「この四つの力は全ての人間に備わっており、突出した人間だけの特徴ではない。そして、これは人間の個性そのもので、古代ギリシアの四大元素みたいなもんよ。」
四大元素とは、空気・火・土・水の4つの元素である。エンペドクレスはアルケーが、火・空気(風とも)・水・土(地とも)の四つのリゾーマタからなるとする後世にいう四元素説を唱え、プラトンはこれに階層的な概念を導入し、土が正六面体でもっとも重く、他のリゾーマタは三角形からなる正多面体で、火が最も軽いリゾーマタであり、これら四大元素はそれぞれの重さに応じて運動し互いに入り混じると考えた。のちアリストテレスがこの説を継承し、アラビア科学、パラケルススと伝えられた。
ウォーター:「つまり、四つの力をどのように持つか、どのようなバランスを持つかと言うのは、人間の個性に依存するということ?そして、オレは、経済力に不向きと?」
ダニエル:「そのとおり!経済力を付けられる人間を色々と見てきたけれど、君はそのタイプではない。君は、路傍の石をダイヤモンドだと言って、人にダイヤモンドの値段で販売することができるか?」
ウォーター:「絶対に無理ですね。それは詐欺か催眠術じゃないですか!」
ダニエル:「そう、この世界そのものが、虚構の作り上げられた詐欺や催眠術が実現化して行く世界なのだ。つまり、君が紳士でいるもしくは、信じているこの世界そのものが幻覚なのだ!
でもね、この資本主義世界で経済力と言うものを身につけることができる人間は<必要のないものを、さも必要があるように見せかけて、高値で売り抜ける>ことができる人間だけが、上に上がってゆける世界なんだよ。
それが、資本主義の究極の秘密だし、真実でもある。石油や代替エネルギー、飽食の時代に溢れた食料品から、三秒で記憶からうせる無駄な広告に、実体がなくて、実態を装うことだけに長けたIT業界から、預金者が全員で返金を要求したら、返金でできない銀行から全ての金融業会まで、人間は、象徴に支配され、象徴に跪く、究極の詐欺の世界が、資本主義に見られる経済力の世界なんだよ。大きい会社ほど巨大な詐欺師、もしくは催眠術師と考えて間違いないよ。
人間間の欲望をドンドン助長させ扇動し、購買者を募り、お金に買えて、消費者の次の欲望をどう煽るかを考えるイタチごっこの資本主義世界が、ただの悪夢だと気づいたものだけが、それを破壊して、次の世界を模索する。人間が人間を喰う地獄世界から脱出するには、鍵が必要だ。四つの力のうち、真に人間に必要なのは、思想力だけだ。ただし、それだけならば、世捨て人や修練家になってしまう。
だから、気づきを経た人たち、地球を変える意識を持った人たちの助けが必要だ。そこから始まる地球を変える革命なのだ。今でこそ、誰もがわかるだろう、「人類が滅びるか、地球が滅びるか」こんな二択さえも浮上してきている。そんな未来の選択どちらもしたくないという人々のために中道を模索する。ぼくは変えるものは帰るものであると、108の象徴性で説明する。そう、この世界を変える「朋友がほしい」と、ブログを琴として奏でているのだ。
そのための準備も着々と進めている。強い思想力、つまり、強い識をつくってゆく者達が現れたとき、タバコ6本すっ飛ばすというレベルではない尋常ではない出来事が演出されて行くだろう。
ぼくは、着実に仲間を増やし、見込みのある仲間を一から鍛え上げるように裏側で密かに自分のワークをスタートさせた。仲間は、星は既に集まり始めているのだ。裏側から発信され、裏側で力をつけた人々を組織する。山道ワークの始まりである。
誰かがお金を払って、ぼくに習いに来るのではなく。ぼくが、自らピックアップして選ぶ。常に、選ぶ権利はぼくにある。わからんヤツは、永遠にわからなくても良い。伝統社会のスタイルをぼくの代で変えるつもりはない。
今の時代は、あまりに経済力という力だけに偏ってしまった。そして、それは人間の欲望を助長させ、消費者を煽る単純なメカニズムで、それは、人間に与えられた洗脳と言い換えても良い。手段は、詐欺と催眠といったところだろう。
*写真は、世界と人間たちが入り込んでしまった「出口なし」の状況について、ボードリヤールが日本で語った貴重な記録『暴力とグローバリゼーション』。
本来、四つの力のバランス良いほど、良い国家といえるが、グローバリゼーションの広がりとともに「市場経済化」が全世界的に進んだ現代では、もはや、防ぎきれる流れではない。これに挑もうとするものがいたら、ただのバカか勇者だ。」
ウォーター:「じゃあ、山道さんはバカだったんですか!」
ダニエル:「・・・・・・そうみたいですなぁ」
ウォーター:「でも、まじめに商売をして儲けて、ビジネスしている人もいるじゃないですか!」
ダニエル:「そう、とのとおりだよ。そんな中でも、切実に商売をして、経済力を付ける人もいるけれど、それは宝くじが当たった人もいるよっていう確立統計上マレなお話だよね。」
ウォーター:「オレ、無理っす。そんな、詐欺師や催眠術の世界で勝負できないことを知りました。自分の個性を殺してまで、自分を貶めたくないです。」
ダニエル:「この世界に生まれてきてから、真実に目が覚めるまでは、どんな世界でどんな夢を見ていても良いと思う。ただし、真実に目覚めたら、あとは自分を守るために、前に進む。そんな、戦いもあるのだよ。君は、政治力が似合っているよ。政治家とかどう?オレがシナリオを書くから。演じてくれれば、政治の世界に入っていけるよ絶対に!」
ウォーター:「オレ政治家になるッス。四つの力はコンバートできるみたいだから、政治家になって経済力を補います。」
ダニエル:「それじゃあ、悪徳政治家ジャン!」
ウォーター:「山道さんが、背後にいるなら、そうならないでしょ?」
ダニエル&ウォーター:「MUWHAHAHAHAHA」
店を出る頃、アイリッシュバーのお店の女子達は、「次までに、私もタバコ倒せるように練習します。」と、熱く語ってくれた。
こんな風に楽しく終わる一日もある。人生は、痛快、痛快!
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