3月20,21日の二日間にわたり、台湾台中にある弘光科技大学によって、主催された複数の民間風水団体と大学機関の共同研究の成果である「陽宅論壇学術研究討論会」に参加してきた。
このような試みは風水天国である台湾においても初めてであり、二日間に及ぶ研究発表は、日本では考えられない展開に戸惑うばかりだった。
日本の大学機関の学者は分厚い皮にこもっているので、民間の風水師たちとこのような相互交流の研究発表はしません。日本の大学機関の学者さんたちにとって、風水師は占い先生くらいの認知しかないので。まあ、そう思われるのもしょうがない日本の現状ではあります。
しかし最近では、日本でも民間の有力な風水実践、研究者達がぽつりぽつりと出てきています。日本における大学機関の学者さんたちの研究の浅はかさの化けの皮が剥がされて、剥官にならないようにがんばってもらいたいものです。日本でもこのような試みが実現するのを祈っています。その時は、喜んで論文を持って参加させていただきたい。
さて、台湾で行われた陽宅論壇における舞台である弘光科技大学構内の施設は最新で、机にはマイクも付いており、発言がスピーカーを通じて講堂に響き渡る。モニターも完備され、イメージしていたものより、近代化していた。台湾のマスコミにも注目されていたようである。
28人からなる発起人、栄誉会長、高級顧問と、44人からなる指導委員から構成され、論文発表は展開された。私もこの44人の末席に加えていただいた。
外部参加は3,600元(1万円ちょっと)で参加できるようになっており、自由な討論の時間も最後に設けられたりしていた。
鍾進添老師の強力推薦もあり、日本代表の「貴賓」として正式に招待され、二日間に及ぶ食事代から、おやつまでついて全部無料だったのが嬉しかった。と同時に滅多なことを書けないのかなと。(笑)
そして、滅多なこともできないのかなと。(笑)
始終おとなしゅうしていた二日間でしたが、二日目の最後にいただけたスピーチの時間では、「やはり一言」が独り言で終わらないように、言わせてもらわなければと、スピーチもさせていただきました。ちよっびっと緊張したかも。
鍾進添老師、中国五術教育協会の劉旭輝理事長、ありがとうございました!
陽宅論壇の内容は、配信されるらしいので、ぼくの映っているものもストリームされるのかもしれませんね。風水山道のフォーラムでは近いうちに配信いたします。
陽宅論壇のテーマである「陽宅」とは、広義に「住宅」、「建築」などを意味し、その広範なテーマにおける研究発表会を2日間にわたって、とても大きなインパクトを受けた。大学機関の主題とする環境保全から、様々な民間の五術団体(流派)からの社会貢献としての五術というテーマは、今後強く続いてゆくという確信を持った。
そして、その試みは今、私が日本で取り組んでいる「風水を通じて環境を見つめなおす」姿勢に他ならないのだと確信した。
鍾進添老師が提示するように、現代によみがえる風水は「環境心理学(Environmental Psychology)」として、この荒んで荒廃した景観に、清らかな風を巻き起こすに違いない。
そして、その風を発するのはいつの時代も、人の心からなのであり、鍾進添老師を見ているとつくづく、そう感じてしまう。人の心が荒んでいるから環境も破壊され荒むのである。そうやって、外にあるものと内にあるものは呼応すると信じている。腐敗した人心に風水がもたらすであろう清らかな風を感じる鍾進添老師の講演だった。
陽宅論壇にて、混元禪師が「私は五術界は社会に貢獻することを肯定する(五術界自我肯定對社會的貢獻)」と言うように、サブカルチャーとして長きに渡って、社会の裏側の文化だった五術文化の一つの胎動する形を台湾で垣間見た気がした。
民間団体が学術発表できないなどというのは、学者たちのただの牽制(権勢?)に過ぎない。見よ!この800ページ越えの電話帳のように分厚い、民間の風水団体からの学術研究発表の論文を。この中には目を見張る論文も幾つもあった。
三合派、三元派の技法から、現代の混迷する建造環境を考えるこの自由な気風溢れる研究発表会は、閉鎖的な五術文化の世界に差し込んだ一条の光だったのかもしれない。
陽宅を読み解こうと試みる者たちの挑戦が、伝統文化としての技術が、現代の建築と出会う瞬間を幾つも感じ、見ていて楽しかった。
「ああ、なるほど!その山脈からの分岐を龍として捉えて、そこで穴を結ぶと結論付けたわけか。三合水局をそこで取ったわけだ。なるほど~!」
「ああ、なるほど!台北101という高層建築に対して、そういうアプローチで迫ったのか。」
などなど、見ていて興奮し、勉強になった。もちろん、発表された研究の全てが正しいとは思わないが。
今回、私が個人的に注目していたのは、李魁斗先生です。
現代によみがえるこの地理風水師は、近年中国大陸に渡り、自らの足を棒にして、山野に分け入り、古典図から読み解く地勢を検証する作業をしており、その成果は二冊の本 にまとめられています。机上の理気だけ風水師と異なり、フィールドワークを怠らない風水師として、楽しみにしていました。
李魁斗先生の講演を聴き、名刺交換させていただきましたが、物腰柔らかでとても柔和な人柄で好感を持てました。後からやって来て、本もプレゼントしてくださいました。ありがとうございました!
有名人として、今回拝聴してみたかったのが、天機派創始者の黄春霖先生の講演です。しかし、残念なことに黄春霖先生はマレーシアから仕事で戻って来れなくて、参加できなかったようです。マレーシアでは、華僑の風水を偽る人たちが多いらしく、かなり怪しい風水が流布しているようですので、黄春霖先生も正しい風水を普及するために忙しいのでしょう。(笑)
世界で最高峰の風水天国台湾の中にあっても選び抜かれた生え抜きの、研究家、実践家たち28人+44人=72人の今後の動向が楽しみです。
よっし!オレもがんばるぞ~!なんだか気合の入った二日間でした。
鍾進添老師をはじめ、台湾の弘光科技大学の皆様、中国五術教育協会の皆様、その他関係者の皆様、大変お世話になりました。
今後とも、宜しくご指導いただけますように、よろしくお願い申し上げます。
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