わずか二日間が何日にも感じられ、異次元とも思えるアジのア風水世界に触れ、最後のしめのお茶漬けはまだ残っているのでした。
この充実の二日間の最後を閉めたのは、マンダリンオーチャードホテル徒歩で2分くらいの場所にありました。
しかもこの建物の形は!
「ビックサイズの三合院!?」
ここは我々日本からの一行にとってなんとなく馴染みある場所にも感じられるシンガポール高島屋です。
シンガポール高島屋もオーチャード ロード沿いに7運に建てられ(1993年10月)、北東を向きます。オーチャード ロード沿いの建物は7運のものが多く、この賑わっているロードの並びが同じならば坐向も同じとなり、理気の上でも同じになる建物が多いというのが興味深く、活気をもっているロード(道路)自体を風水では水に見立てることを実感できます。
この「道路=水」という風水の独特の考え方は、拙著 『風水住宅図鑑』の「水―河川と道路」(P.150~153)に詳しく書いていますので、よろしかったら読んでみてください。
つまり、その街自体がある角度と方位を持った通りができ、それに従って建物が建てられ、発展していく都市の様態は、この道路や水路の通し方が、都市風水における極めて重要な点となるのです。
この一見すると、三合院のビックサイズの建物ですが、実はここには四重、五重の風水のからくりとでも呼ぶべき、理気が多重にわたって施されていたのでした。
風水の理気技術には実に様々な方法論があります。大きく分けると、三合派、三元派という技術区分ですが、きめ細かく用途の異なる技術が見据える利点とも言うべき、何がどうあるべきで、そうあることによって、どのようなことが、どのように良いのかというロジックをそれぞれの風水技術が持っています。
もちろん、方位として相矛盾することもしばしばですが、凶を避け、より強い吉となる縁起、その影響を汲み取って行き「多重の合局」とでも呼ぶべき、利点を積み上げて建造物を構成していくことに風水施工の楽しみがあります。
そして、そこには分かる人が見れば読み解ける風水という言語が潜んでいます。複雑なものになればなるほどその言語にまつわる単語も文法も増えていきます。
この二棟のビルが青龍砂、白虎砂にも見立てられます。そして、これだけ広大な建造物ですから、その中での厳密なエリアの良し悪しが生まれてきます。つまり、どの場所が商売繁盛するエリアで、どこが風水的に使用するべきではないエリアなどの区分けです。
もちろん、風水という言語を読み解けば、それは見えてくるわけです。まずは、一連のつながりを持ったこの集合体ともう言うべき三合院の建物自体の鑑定からです。
この建物がこの方向に向いていて良いのだろうかという理気を考える上で、参照とされる技術に排龍訣(はいりゅうけつ)と呼ばれる技術があります。この建物の坐向の吉凶を建物の中心(太極)から交差点の中心となる方位を見るわけです。
この建物から見て、水が強い先ほどのオーチャード ロードとオーチャード リンクによる交差点は卯(E2)方位にあり、三星排龍訣で十二支は時計回りで破軍を排し、この高島屋の向きである北東の丑(NE1)方位は、巨門となり、吉方位に向けてこの建物が建てられたことが風水を用いた言語として読み解けます。
三合水法(さんごうすいほう)によって、天盤二十四山方位で見た建物の向は同じく丑であり、時計回り、反時計回りの水は両方可能。乾坤國寶(けんこんこくほう)、別称として龍門八局水法(りゅうもんはっきょくすいほう)では、坐山を八卦方位の坤坐を起点に、交差点を去水位置と見立てれば、東は天劫水、客水となり、非常に素晴らしい。ちなみに、個人的にこれ以外に見た技法として、生旺墓水法(せいおうぼすいほう)では、交差点は卯(E2)を水口に見立てた時に吉凶半々だった。
この建物中でも、特に良いエリアとして、玄空飛星による水星⑧が来ている東エリアには、門を開けていい五鬼門が東方位(E3)にピンポイント(地盤二十四山の一区分である15度範囲)であり、ここが一番売上も良いだろうとのこと。オーチャード ロードとオーチャード リンクによる交差点にも近いエリアである。
我々一同は、早速、その雰囲気のご相伴にあずかるためにそのエリア(E3)まで行って見ることに。
確かに中央にある正面入口よりも、人がじゃんじゃん入ってくる。雰囲気も活気があって、いい感じ。
さて、今回の実習を振り返って、一番思い出に残った場所は、シンガポール川の下流川沿いのボート・キー及びクラーク・キーから川沿いにかけて、そして水龍のエネルギーをふんだんに用いたマリーナベイへと連なるラインでした。
写真のマリーナ ベイ サンズ ホテルは残念ながら反弓煞が示すように、イマイチでした。
しかし、マリーナ ベイ サンズ ホテルと向かい合う、有情エリアにあるザショップス マリーナ ベイ サンズは横長のドーム状の建物の中は、運河を見立てられ、水が巧みに用いられ、水星の良い場所では、要所要所に細かい風水の技が見られ、とても気持ちが良く素晴らしい場所でした。
水星を活性化させるために、こんなオブジェまで作ってしまうのですから、凄まじく風水にお金をかけています。写真左が上の階層から見た渦潮。下の階層では、その水が回転して落ちる仕組みとなっている。
う~ん、実に同じアジアとは思えない異界とでも言うべき、風水世界がシンガポールでは百花繚乱のごとく咲き乱れ、その背景には必ずといっていいほど風水師の仕事が展開されていたのでした。
こうやって風水から見て見る世界、そして、そこから読み解ける言語としての都市から建物に到るまでの風水というのは、楽しいものです。
皆で仲良く目的のある旅をするというのは、いつだって楽しいものです。
シンガポールのオーガナイザーお気に入りのドリアン月餅をジャンケンで負けた人が食べるあのゲームは最早伝説ですがね。(^∇^)アハハハハ!
アマーティが負けた瞬間に食べるのを拒否して10SGDをテーブルに出したのが最も笑えた。( ´,_ゝ`)プッ
その後、アマーティは我々に「私のほうが人生を長く生きていろいろな経験をもっているの」と自慢し、大人ぶっていたのに、皆から、「ドリアン食べた経験ないくせに!」と言われるとアマーティがおとなしくなってしまうのだった。(○゚ε゚○)プププー
今でも記憶に残る名台詞。長い人生の中でも、「ドリアンは別!」(笑)
シンガポール到着から四日目となる最後の日は夜晩くの飛行機なので、昼間はみんなで茶芸館行ったりと、自由時間を楽しめました。
ロー先生、お疲れ様でした!参加者の皆様も、ご苦労様でした。
また出撃しましょう!
次の出撃は、あの風水西遊記からお馴染みの山口へリベンジです!
その前に鍾進添老師の講演会レポートを書かないと。(´д`;)
おっと、通信講座の原稿がたまっている。萬年暦も仕上げていない。急がねば~。
いつも時間に追われているわたし。(;'o')m タスケテ・・!!
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