風水からのメッセージ 人生・ビジネス・家づくり 想えば実現する
今井雅晴 著
著者の今井雅晴氏の「今あることを愉しむ」こと、そしてそこに風水というツールが重ね合わさり、単なるツールでは無く、人生観として「風水と共にこんな風に歩んで参りました」と、醸造されてくるものがあります。
そこには奇を衒うような華々しさや、珍しさというものでは無く、「ただ風水が好きだったんですよ。だから一緒にやってこれました。」とでも言わんとし、まるで風水が良き伴侶で共に連れ添い歩いてこれたという道のりを感じさせてくれます。
そんな今井氏の素朴さは寧ろ力強く、建築士としても、そして設計事務所の長としても、人間としての務めと共に社会的な責任を背負い顧客と共に歩んできたことを感じさせてくれます。
これはまるで古来からの「風水師」の姿そのものではないかと、自然と違和感なく、読み進めていける今井氏の自分史でもあり、純然とした態度で風水に取り組んだ者であるという思惟が如実にあらわれ、読んでいて人様の家のお庭をこっそりと覗き込むことでわかる生活風景にも似た愉しさまであります。
今井氏が風水師・建築士として手がけてきた或いは背負ってきた設計の顧客には「地元スーパーの逆襲」と近年話題になり、小さくても強い企業として有名になったヤオコーも挙げられます。
ヤオコーの成長物語のプロセスと、その背景から今井氏が35店舗設計を担当してきたという事実と共に氏の存在を強く感じます。
何歳になっても「男のロマン」を忘れさせない氏の生き方や探究心、また読み物として強烈なドグマや自己主張というものがまるでなく、氏の謙虚さとその生き方に素直に共感を覚えることができ、どんどん読み進められます。
風水テキストという枠に捕らわれない「風水思想」として、一人の人間として、自由に風水を追求し謳歌する者として、風水と共に歩んだ一人の風水師の生き様を感じさせてくれます。
2015/01/20
山道帰一拜
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