「問題を見極めろ!」と、最近、よく口にする。
その結果、いつだってそこには、非情な現実がある。
そして、そこにとっくにたどり着いているのに、人は皆、背を向ける。
今でも、師兄と笑い話で、しばしば、思い出されるのが、張明澄先生の鑑定だ。あるクライアントのおばさんが、家庭の問題、家族の問題、とりわけ、娘、息子と自身の不和について、まくし立てて帰って行った。その後、そのクライアントとのやりとりに疲れ切った張先生がボソットが呟いた。
張先生:「あのババァが家からいなくなれば、問題は全て解決する。
家出した娘も戻ってくる。」
今でも、ぼくらは、その内容を思い出すと、腹を抱えて笑ってしまう。これは、言葉厳しい表現だが、実際に、レイモンド・ロー先生が来日した時に、一日一組だけ鑑定していて、何日目かは、忘れたが、ロー先生が、疲れ切った顔をしながら、ぼくに一言呟いた。
ロー先生:「今日のクライアントが家から出れば、家族の不和は解決するのになぁ。」
それを聞いた途端、ぼくは思わず噴出してしまった。そして、張先生の笑える鑑定事例を思い出し、二人が同じ内容の結果、つまり、非情なる現実を口にするのを見て、二人とも、「それ」を言えずに悩んだろうにと思ってしまった。
また、ロー先生は付け加えた。
ロー先生:「本当は、答えを分かっていて、鑑定に来る人が多い。」
ため息まじりに、ロー先生は笑顔を作って見せてくれた。
その後、その鑑定に対する事例を、ぼくはもっと詳しく分析し、五つの回答を用意して、ロー先生にメールを送ったら、すぐに返信が来て、ありがたい内容が書いてあった。
ロー先生:「あなたは、今まで、私が会ったどんな国の代表者よりも、面白い。」
ロー先生、ありがとうございます。ぼくは、ロー先生といると、ナチュラルにクリエイティブな発想が生まれ、行き着く先は、腹を抱えて笑い。結果、ロー先生と共に、腹筋を鍛えてしまっているようです(笑)。
ここで、話が終わったら、ダニエルがただのイタズラ小僧か性質の悪いジョーカーみたいなので、本質に迫った解説を多少加えさせていただきます。
あるがままの自分を見つめるのは辛いことです。但し、問題を挿げ替えたり、入れ替えたり、置き換えたりし続け、自分を見つめることから逃げることは、結果的に最も辛いことになるでしょう。
非常な現実から逃げてもいいんです。だって、とても辛いんですもん。誰もが向かい合って、勝利するとは限らないですし。ただし、一つだけやってはいけないことがあります。
自分を騙さないでください。そして、自分に嘘をつかないでください。つまり、自分を裏切らないでください。
過去に、ダニエルのところに家出した息子の相談に来たある中国医学協会の女性の理事さんが、しきりにダニエルに「どうして、息子が家を出たか分からない」と、訴えました。
ぼくは、一言だけ「全部あなたが原因です。」と、言いました。すると、その女性の理事長は、「そんなはずあるわけないじゃないですか!失礼ですよ!」と、怒り始めました。
そう、実際、この漢(オトコ)、ダニエルと言われる人物は、卑劣漢に対しては、すごく失礼なんです。
そして、この理事長は、とても自尊心が強い人間で、怒りをあらわにして、ぼくに迫ることで、「本当に私が原因なの?」と、迫って来てくれていると感じました。
そして、もう一声、「でも、あなたしか犯人はいませんよ。息子に干渉しすぎなんですよ。全部、あなたが悪いんだから。あなたがイヤで、息子は家を出たの。オレもあんたの家の子供だったら、家三秒で出てくね。」と、とどめの失礼な言葉を怒涛のようにコンボしておきました。
すると、その女性理事長さんは、突然泣き始めました。横にいた娘さんがそのやりとりを見ていて、唖然としていました。
最後まで、失礼な漢(オトコ)を貫き通しました。自尊心の塊の病める魂をカタルシスしたダニエルは、親切にも、その息子さんを家に連れ戻すのに成功しました。どこまでお人好しかわからない自分ですが、その息子さんを探しあてて、語り合い、「きっと、君のママ変わるから。」と、一言だけで説得に成功です。
結果、この失礼なオトコが、「非情な現実」を突き止め、それを受け入れるように理事長を説得し、その息子に約束させ、家に戻ることにも同意して、実家に戻すのに成功しました。
その後、この失礼な漢(オトコ)ダニエルは、中国医学協会の理事さんから、とても感謝されて、熱烈な自宅への食事会に招待され、出向いたのですが、そこで、無頼漢ダニエル、本当に失礼なことを言って、縁を切られてしまいました(笑)。
え、何したのって?
大した事じゃないのよ。ほら、オイラ冗談が三度の飯より、好きなわけで、その食事会でも、やっちゃったのよ。
え、何したのって?
あのね、その女性の中国医学協会の理事さんが、漢方とかにもはまってましてね、大事にしている希少な秘蔵品が冷蔵庫に入れてあったのですよ。それは、オットセイのペニスのアルコール漬けなんだけどね。
そこでね、オイラそのグロテスクなオットセイのアルコールペニス漬けを見せられて、ついでに、精力剤というその秘蔵のお酒も飲まされて、思わず口をついて出てきた一言がまずかったのよ。
え、何言ったのって?
「こんなものを大事にしているのは、夫のせい!?」
非情なる現実・・・恐るべし(笑)。(。◕ฺˇε ˇ◕ฺ。)
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