西晋の郭璞(かくはく)が註を付した奇書『山海経(せんがいきょう)』には、各地の動植物、鉱物などの産物を記すが、その中には空想的なものや妖怪、神々の記述も多く含まれ、そこに古い時代の中国各地の神話が伝えられていると考えられている。
古代中国人の伝説的地理認識を示すものともされるが、登場する奇抜な人面獣や動物と動物の複合体の図から、当然「奇書」扱いされている。
風水の古典書『葬經』を著した郭璞が注をした『山海經十八巻』は、山海経の注釈書としては最も古く権威のあるものとされている。
左の『葬書』はかの真言八祖の一人である一行(いちぎょう683年‐727年)が註を入れたもの。
荒唐無稽な奇奇怪怪な言葉が多い山海経には、人面を持つ鳥や様々な動物の複合体が登場する。一見すると妖怪辞典のようにも解せる。
だが、鳥インフルエンザ(H5N1)などは豚を介して、鳥インフルエンザと人インフルエンザが混ざり合い、新型インフルエンザが誕生したりすることを考えると、この本をただの妖怪辞典と考えることができないように思える。
それは、人類に対して深刻なウィルスなどの変化を説いた書だと私は考えている。
郭璞(かくはく)
郭璞(276年-324年) は、字(あざな)を景純(けいじゅん)といい、河東聞喜県の人(現在の山西省)。西晋における建平太守であった郭瑗(かくえん)の子。東晋おいて著名な学者となり、文学と和訓詁学家として知られた。また、道学や術数大師としても大成し、遊仙詩の祖師ともされる。
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