おっと、途中経過が色々と挿入されてしまったが、よくある日常と私Ⅰからの続きです。
地下にある喫茶店ブラジルから地上に出てきたときには、辺りは既に薄暗く、満員電車に揺られて家路に着く。
さて、睡眠でもとろうかなと、いつも時間が遅れて行く全自動の時計をはずして、時間設定の狂ったケータイを机に放り投げると、「着信アリ」ではありませんか。
おっ、編集者のH氏からである。
今回の完全定本【実践】地理風水大全では、締め切り(デッドライン)を二ヶ月も越え、最後の編集作業では、地獄のような苦しみを与えてしまって以来、申し訳なくてH氏には、正式に謝りたいと思っていた。だが、この本の第二回目のゲラ出しも相当な作業が残っていたので、一杯飲みに行くのを誘うのも憚られている矢先だった。
着信を見たときに、「終わったんだー」という喜びが溢れてきた。(´∀`)
編集者H氏は、私の遅れのせいで、あちこちに頭を下げて謝罪していた。
本当に申し訳ないことをした。
この本が難航したのは、書きたい内容がありすぎたことと、日本文化を考慮し、章立てと秩序立った説明をして行く上での構成にあった。流派と呼ばれる様々な風水学派の知識と技術に傾聴するのではなく、もっと普遍的なものを目指した。
流派のボーダレス世界を構築したかったのだ。それは並大抵のことではなかった。
そして、唐代からの風水は皇帝の手を離れたことで、風水はヒューマニズムに基づき、人種ということに対してもボーダーレスであるべきであることを示している。
風水は、最早漢民族による特権ではないのだということを異邦人(アウトサイダー)である立場から強くアピールせねばならなかった。
その試みは、読者に伝わると信じている。
その背景には、私なんかよりも、何倍も苦しんだ編集者H氏の人目につかぬ涙があった。
スタートから最後まで面倒を見ていただき、この本はH氏に追い立てられるように仕上がったという裏話も、今明かされる秘密である。
編集者のH氏:「渋谷まで5分で来い!ヽ(`Д´)ノ 」
ダニエル:「わかりました(;☉д⊙) (恵比寿だけど5分じゃあ・・・)」
本当に5分後、電話が鳴る。何度も、電話が鳴り、電話に出ながら急いで出発する。
ダニエル:「了解です!」
編集者のH氏:「ドンキでナイフとか買ってくんなよ。ヽ(`Д´)ノ 」
ダニエル:「わかりました。ドンキで鈍器とか買いません(笑)。」
編集者のH氏:「嘘言え!オレのこと嫌いだろ!?」
ダニエル:「ヒィィィィィィィ、酔っていらっしゃるのね(✪ฺД✪ฺ) 」
ぼくは、H氏をナイフで刺す動機も無ければ、寧ろ逆に刺されもおかしくないと考えていた。(;☉д⊙)
そうこうするうちに到着し、今回の本の遅延に関する反省会が始まる。ヾ(_ _。)ハンセイ…
そして、今回カットされた記事についても話が及ぶ。
ダニエル:「やっぱり、あの韓国に関する内容は、カットされちゃいましたね」
編集者のH氏:「何?あそこカットしないで欲しかったの?( ´,_ゝ`)」
思わず、H氏の顔がにこやかになる。そう、H氏は心理学専攻だけあって、人の心理的変化が好きなのである。
その部分に何らかの憎悪にも似た私の主張があったのだが、敏腕編集者にいち早く感づかれ、カットされてしまった部分なのである。(。♋ฺ‸♋ฺ。)
きっと、その背後にあるぼくの精神活動を見抜いていたのだろう。
あの部分は、心の中で「強く握り締めていたから、もうグジャグジャになって、色は変わり果て、お世辞にもきれいとは言えない」内容だった。
書いておいて言うのもなんだが、カットされるべき内容だった。過去を過去に流して、前に進まないといけないことをぼくらは理解しているのかもしれない。
今回かけたご迷惑は、この先自分が良い仕事をしてお返ししたいと思う。
ぼくは人から受けた恩を忘れたりするような義理人情の無い輩とは異なる。受けた恩は何倍にもして返す漢(オトコ)ですぞ。( ´^ิ益^ิ`)
編集後記ともいえる楽しいお酒で夜は深けていった。ぼくは酔っ払いのH氏とお酒を飲むのが大好きなのである。(。◕ฺˇε ˇ◕ฺ。)
本当に、ご苦労様でした!このご恩はいずれまた。<(_ _)>
こうして、徹夜明けの「よくある一日」は、終わった。全ては、前に進むために一日がある。うずくまって、立ち止まっていたら、今のぼくはここにいなかっただろう。時間は止めるためにあるのではない。前に進めて変化させるためにあるのだ。
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