ぼくの数少ない知己のマメヒコ オーナーの井川さんには、いつもお世話になりっぱなしだ。この日も、茶師としての本分を忘れて過ごしていたぼくには、衝撃的な一泊二日になった。
電撃的に井川さんは家にやってきた。前日に
井川さん:「山道、お茶を作りにいこ!」
ということで。突然、朝の五時から車に乗せられ茨城の竜神村に連れて来てもらい、やぶ北品種の茶葉で紅茶をつくることに。海抜500mの山中、辺りは完全無農薬の野生茶とやぶ北種のお茶が溢れている。ここは、お茶が栽培される最北端に位置する。
二人で朝から茶摘みをして、茶葉を萎凋(いちょう)し、入念に手揉して、醗酵させ、夜中の三時まで乾燥のためログハウスで火入れをし、オーソドックス製法で、できた茶葉の量は僅か1kg足らず。
お茶を茶摘みからつくるのは、大変で辛い作業だけれど、朝から晩まで一緒に働いて、楽しく、お茶作りができた。
そう、それは「自分たちでつくったお茶を飲みたい!」、この想いが重要だ。
一泊して、紅茶を完成させて、井川さんと共に茶通に戻ると茶芸師の 乙骨さんが茶通に遊びに来ていた。
早速、茶芸仲間のペルさんも呼んで、お茶仲間で出来栄えを確かめる。また、夜には「広尾喫茶の会」で、稀代の魔術師・月桃さん も紅茶好きで、茶通に集る貴重なお茶仲間なのだ。
「お茶の事がわかる友達に一番初めに飲んでもにらいたい!」
そう、この一時を皆で分かち合うことで、汗水流して苦労して作ったことが報われる!
井川さんに、今回教えられた気がした。
「実」とは何かを。互いに知り合って三年ほど経ち、これまでの心境を語り合ったり、先輩として友人として素晴らしいアドバイスをしてくれる。
井川さん:「オレは風水のことはよくわからないけれど、山道には、一人の茶師として、
実態のあることをして欲しい。実のある山道でいて欲しい。」
その言葉が妙に心に響いて、ここ一ヶ月ずっと色々考えていた。一人の茶師としてぼくを見つめてくれる人もいる。それも、すごく嬉しいことです。
今日は、久々に事務所にお邪魔した。ぼくとお茶をつくったあと、井川さんは再び、茨城の竜神村で、マメヒコスタッフ総出で、茶摘をし、紅茶を沢山つくるのに成功とのこと。今日は、この一ヶ月でつくられて熟成した「実」のある結果に触れるためにマメヒコの事務所に行った。
その出来栄えをチェックするのが楽しみで楽しみでしょうがなかったのだ。
出来栄えが良く、一瞬「やばいプロトタイプが負けたら、どうしよう」と焦ったが。プロトタイプは、純然たる輝きを放っていた。密かに、かなり自己満足に陥る。(。≖ฺ‿ฺ≖ฺ)
しかし、マメヒコスタッフ達が作った紅茶も、「素晴らしい!」の一言に尽きる。よくぞ、チャレンジした。そして、竜神村の個性を彩り豊かに演出した味が醸しだされている。お茶は、構築されたイメージの「想い」でできていることを実感する。プロトタイプは、かなりダージリンを意識してつくった。マメヒコスタッフのお茶は、プロトタイプを意識している観がある。マメヒコ・オリジナル「竜神美人(仮名)」、マメヒコのメニューに明日から加わります。また、紅茶茶葉としても店内で販売するとのこと。
MUST BUYですな。(✪ฺܫ✪ฺ)
井川さんに一ヶ月ぶりに再会し、出版した本『完全定本【実践】地理風水大全』を渡したら、我が事のように喜んで、事務所で一番目立つ場所に密かに立てかけていた。
さりげなく嬉しい。こういう気持ちにさせてくれるのが、本当の友達というものだ。
今日は、そんな井川さんの企画である「ヒトヒコ」の取材も兼ねて、マメヒコの事務所で、スタッフの皆が後から作ったやぶ北種の紅茶を試飲する。
「ヒトヒコ」は喫茶店であるマメヒコのデザインから食材や飲料を提供している様々な職人気質の提携している人たちを次から次へと、その職人達の「こだわり」を特集して行く企画である。
「実」のあるものに触れると沸々と喜びを感じてしまう。思えば、思想・文化・歴史・様々な「虚」に取り囲まれ、過ごしていると、突然、思いたった様に、山に行きたくなったりするのにも似ている感情が溢れ、不思議とお茶と触れあうことで山を感じたりしてしまう。大地の恵み。人は、ここから一歩たりとも離れられないのだ。
今回、最大の収穫は、「日本でもうまい紅茶や烏龍茶が作れる」ということだった。
今、宮崎県で国産・烏龍茶づくりの提案を受けているが、「実」とは実行によってのみ生れてくるものであると、関係者に言いたい。
今回の井川さんと共に、電撃的な行動によって、物凄い成果が生れたのは、偶然ではない必然だ。自ら、身体をはって動き出す勇気・決断力・実行力が伴なえば、自ずと「実」なる結果は生まれて来るものだ。
計画なんてなかった。道具なんて一つも持って行かなかった。というより、いつも手ぶらだった(笑)。でも、挑戦しようとした勇気・決断力・実行力が、最高品質の国産紅茶を作り上げた。お茶の栽培できる最北端、茨城で。それは、二人の男の挑戦からはじまった。そして、困難な状況に向かい合うたびに湧いてくるアイディアは、セレンディピティを演出し続けたのだ。
*セレンディピティ(英: serendipity):何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。
今日は、事務所で、ヒトヒコの取材を受け、マメヒコスタッフの作ったお茶を堪能したぼくは、その後、渋谷のマメヒコに行った。そこには、論争相手にして最大の好敵手(ライバル)の店長のユウキさんがいるのだ。本当に、面白い人ですユウキ店長は。
このトリックスターとも、既に知り合って三年ほど経ち、いまでも論争相手として申し分のないお方なのである(笑)。
思わず閉店を過ぎても、しつこく居座るダニエル。(;◔ิд◔ิ) !!!
ユウキさんとのジョーカー勝負、今回は引き分けということで。(。◕ฺˇε ˇ◕ฺ。)
さて、井川さん提案の「実」あるものにもっと触れる企画・「山道がマメヒコでアルバイト」は、7月14日~17日の四日間。朝10時~午後11まで、マメヒコ・渋谷店と三軒茶屋店で、ブースを作り、「出店の茶通さん」をします。茶師として「実」のあることがしたいから!
そして、いつも忘れたくない。汗水流して働く労働の喜びを。これが、「実」だから。
詳しくは、シリーズ化する風水山道のニュー企画「マメヒコでアルバイトをするぞ!」の次回で発表します。請うご期待!
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