神戸から出発して、各県の巒頭の要所を抑えながら広島まで二泊三日で行く巒頭ツアーブランをやるき満々で、生徒達と相談したところボツだった。(´A`。)
生徒F「絶対に無理。昼飯休憩が無い。」
生徒K「ちょっと無理だと思います。一つでも時間が押したら全ての計画がアウトです。」
そもそも、7月18日に神戸出発の予定だったが、当初立てた予定は却下され、静岡出発の大阪解散ではじまった三泊四日の巒頭ツアー。しかし後に述懐すればこれはとてつもなくラッキーだった。神戸市集合ならば誰一人として台風11号の影響で参加できなかっただろう。ありがとう。F&Kくん。
『風水パワースポット紀行』が刊行後、御蔭様で順調に版を重ねており、現在執筆中の「風水パワースポット紀行2」(仮題)の取材も兼ねたツアーだった。
日取りと出発点が功を奏して台風11号が過ぎ去った場所を通過していくという荒業で雨にも行程を妨げられることもなく、終始晴天で途中新幹線にも乗り、大半を車で移動する2000km越えの巒頭ツアーを終了しました。
なかなか参加者の皆さん、普段は個人行動のプロフェッショナルの人たちなので、そんな彼ら彼女らを引率し団体行動をしようというのですから、引率者としては楽では無いです。(笑)
要所要所で巒頭の見所を抑えながら解説をしながら行進していくツアー。
参加者の多くが、「あっ、水形が集っている!」「龍の頭だ」とか、理論ではわかっていても、実際に目で見るのは新鮮さが異なります。
「人は目に見えない物を意識したりはしない。 つまり意識に降りかかるものが巒頭からの影響である。」
ということであり、この場合の「目」とは五感の総称で、いわば五感と繋がり人々に素晴らしいと感じさせる心理反応のある場所こそが風水の吉地でもあるわけです。
17世紀以降定義が進められた「意識」とは極めて多義的であるが、「自分の今ある状態や、周囲の状況などを正確に認識できている状態のこと」を指すことを「意識」とすれば、有機体としての生物である人は目に見えないもの或いは認識できないものを「意識」したりはしない。つまり意識にふりかかるものが巒頭からの影響であると考えるのです。
まあ雨が降って山中でガスがかかっていたら、物理的に感じることはできても、目には何も映らなかったことでしょう。台風11号が過ぎ去り晴天続きとなった三日間に感謝です。日選びは大事です。
長く続く龍も時間が経てば削られバイパスを通され、弱まってしまう。そんな諸行無常を感じる。近代における開発という名の環境破壊を目のあたりにし、Google Earthでは時間のタイミング的にわからないこともいっぱいですが、現地に行けば一目瞭然の世界もあります。
今回残念だったのは、奈良県吉野郡十津川で目のあたりにした死んだ水龍格局。水を堰き止め、いわば死水龍を見て、一同愕然としたものでした。
赤門先生「折角の水龍が、まさか残土処理場になっていようとは」
大切なものを壊した後に気づく事って何なのだろうか?自問させられる場面もありました。これは多くの人々に考えてもらいたい問題でもあります。
古代における風水は、農業社会に端を発するが、かえって現代の環境保護において応用できます。というのも、中国文化の哲学的な理念では、常に「人」と「自然」の調和のとれた関係(天人合一)を求めていたからです。
自然には創造性(万物を生養する)があることが発見され、また破壊性(万物は衰病し死亡する)のであり、古代人にとって「大地」には「生命」があり、呼吸する「有機体」であるが故に、山脈に「山龍」、河川に「水龍」と命名しました。その呼吸とはすなわち生命力の「気」です。
「山龍」に、「水龍」、その呼吸、生命力を追うのがツアーの趣旨でした。そして、せっかくの巒頭ツアー、参加者達の実力も見てみたい。僕の所で学び始めてもうすぐ10年という猛者達も複数参加していたので、思わず試してみたくなります。 車を止めて、
「今から30分位内でここから歩いて100m位内、肉眼で見える範囲を指摘していいので、皆さんが住みたいと思う場所を風水で説明してください。」 と、山に囲まれ開かれた山中で巒頭実地演習などもしました。
炎天下のもと皆さん、必死で足を使って探し始めます。ちなみに、車を止めた場所は突如ここでテストしてみようと思いつきで事前に何も決めていたわけではないです。ですから、当然、私も参加者の一人となって足を使って探しはじめたわけです。正解を出すために。(笑)
平地龍をつかう、有情の水路を用いる、龍の頭で点穴する。などなど各自思い思いの心理に閃く反応と机上で習った理論を武器に発表は続きます。
私の出した答えは単純でした。吉地としての条件をより多く兼ね備えているもの。そして水路を追うことで水に守られた四神相応の地を発見できてたので、皆を連れて現地に。帰り際、流石にこれだけの大人数がぞろぞろ歩いて枚挙にといまがなければ、地元のお百姓さんたちも何事か!と思うもの。
生徒達が話しかけられ、説明を求められます。「地理の勉強のために(*嘘ではありません)来ています。」、と答えれば。なんと、この場所を流れる用水路は昨年、国「登録記念物」・世界「かんがい施設遺産」登録された場所で、そのための見学会と勘違いされました。確かに同じ「地理」(巒頭風水)です。
やはり風水の吉地は違うなと皆で盛り上がります。ヾ(゚∀゚ゞ)
今回は旅館もかなりハイグレードのところに泊まりました。西暦705年開湯以来1300有余年、世界で一番古い温泉旅館としてギネスブックにも認定された旅館は風水の吉地としても最高峰でした。徹夜続きで完全に48時間ちかく寝ていない状態から3時間あまり、この旅館で睡眠をとっただけで完全回復できました。他にも睡眠時間が不足してツアーに参加した者もおり、この旅館での異常な睡眠の質の高さと回復力に驚かされたものでした。
やはり風水の吉地は違うなと皆で盛り上がります。ヾ(゚∀゚ゞ)
何気なく昼飯にした道の駅・飯高駅の牛丼は絶品だったり。グルメツアーとしても愉しめましたね。
ただ夜は座学が続き睡眠不足気味に。ワサビ杯がトレンド。(笑)
また来年も出撃したいですね。巒頭ツアー!
来年はプロの風水師として活動している人たちが多い風水山道内部生だけではなく、一般の公募も考えています。
余談ですが、「地理風水学」と「自然地理学」の違いは、前者は地理とは生命の「有機体論」として生命現象というのは、あくまで有機体(生物)の物質と過程がある特定な結合状態・秩序にあるときに可能なものなのだという立場にあります。後者は地球表面の「自然現象」(自然の法則によって起こる事柄)の研究及び人間との関連や地域的観点から研究することを主眼に置いています。
追伸
昔は巒頭ツアーを「風水西遊記」と題して別ブログでプライベートのリアルタイム篇として特集したりしましたが、流石にあれは8年以上前のことで、今でも記事見て吹き出してしまいますが、もう恥ずかしくてできません。面白いんですけれどね。(笑)
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