会社帰りのサラリーマンでごった返した車内では、無意識のうちに乗っている人たちの表情を観察してしまう。最近、町に出て思うことだが、人々の顔が一様に暗い。何か憂いをたたえた表情の人が増えた。スーツ姿のゾンビのように電車に揺られ、人生に押し流されて、ただ揺られている。
自分で舵を持つことさえ許されない人生。「悲しみの消費者」が満員電車の中に濃厚に立ち込めるシンパシー。
それは、景気に影響されているのだろうけれど、お金が無いからという理由で、精神まで病まなくてはいけないのは悲しいことだ。それでは、シャブ中がシャブが無いから苦しむのと同じなのではないだろうか。お金というシャブ漬けにされた世の中が大きくシフトを変えようとしている。
資本主義社会に魅入られた裸の王様たちが、子供たちの様に無垢で純粋な心を持つ人々から笑われる日が近づいている。
そして、自分が裸の王様であったことを深く反省する人々も現れはじめている。
以前、「裸の王様」で書いたと思うが、
「裸の王様は、二種類あります。意識した「自身を知る」裸の王様と、無意識の「ドクサ(思い込み)に満たされた」裸の王様です。裸の王様が自分が本当にフルチンであることを知らないのが「ドクサ(思い込み)に満たされた」裸の王様です。(❝ฺ_❝ฺ)」
草彅(なぎ)剛は、裸の王様に変身して、逮捕された時に「若者よ、我が道を行け」と泥酔しきった無意識のコトバとして叫んでいたという。
これは後者の「ドクサに毒されていた自分を取り戻した」瞬間であった。間抜けな道化役を演じさせられ続けた結果、草彅はオフの日に今までで一番良い仕事をした。自分を取り戻したのだから、良い仕事と言わずして何と言おうか!
汚い芸能界を無垢な子供のような心を殺されないように過ごしてきた草彅の無意識の願望「白」がそのまま表現された形だった。心を殺されるよりも、この腐った社会から消されたほうがましだという悲痛な無意識の叫びが表現されただけなのだ。
草彅がアイドル(偶像)をやめてアーティスト(芸術家)へと昇華された瞬間でもあった。
偽善者的な視点や論点は要らない!草彅!良くやった!オマエがスマップの中で一番輝いているのは、最早、疑う余地が無い。( ゜ 3゜)
昨年から今年にかけて、全裸で捕まる事件が増えている。その中には、大学教授もいた。これは、一つの変容とも呼べる現象である。老獪でくすんで肥大化した資本主義社会に亀裂が入り始めているのだ。それは、経済の推移と併せて考えることができる。裸の王様の滑稽な世界に読者も気づくべし。
この社会が溜め込んで隠蔽し続けた「間抜けな道化役」が剥がれ落ちて行く象徴が随所に見られ始めた。
こんな暗闇の時代だからこそ、言いたい。
「変わらなくちゃ!変えなきゃ!」
「若者よ、こんな腐った世の中を滅ぼして、我が道を行け!」
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