2009年12月 5日 (土)
ある日常
最近、戻って来てから、ふと気づいたのがあんまり日常について書いたりしていないと思った。
ということで、何気ない日常をどのように見つめ過ごしているのかを書いてみた。
歩いて2、3分の近所に住む、ウォーターから朝九時に電話がある。
ウォーター「今から、15分後にはちゃんとした出てきてくださいね。」
その後もう一度電話がある。
ウォーター「今から、5分後にはちゃんとした出てきてくださいね。」
そう、イケメン社長ウォーターは決してバカではない。何度も下で待たされている経験が彼を賢くした。
そして、ついでにもう一度電話がある。
ダニエル「あれ、今日アレをセットするの?」
ウォーター「お願いします。」
約束の時間に台湾で購入した財神を持って飛び出して行く。
ダニエル「うぉぉぉぉぉぉぉぉ、遅刻していないぞ!」
二人で向かうは、杉並区にあるクリニック。
以前よりこのクリニックの情報は聞いており、すこぶる評判が良い。
整体とも異なり、気功でもない。江戸の天保年間より続く、柔術の流れを汲む治療院である。とりわけ、骨の矯正に長けているとのこと。
ちょうど長旅と帰ってきてからのハードワークで積もったダメージを抜く意味で出かけた。
また、古傷を悪くしたということもあり、後遺症の治療に長けた院長を指名する。保険も適用外のクリニックだが、人があふれている。待つことしばらく、院長が出てきてきた。
人間の身体に張り巡らされた神経系統、そして電気信号と患部の関係を具体的に説明する。そして、身体を触った後に、診断を述べてくれる。
院長「あなたの身体は以前、大きな事故を起こし、受けた衝撃を残している。正確には、それをトラウマのように心に残している。その時、四肢がちぎれるほどのダメージを負った。本来その大きさの衝撃から察するに四肢はちぎれていておかしくはなかったが、あなたの無意識が強烈な信号を脳に発し、ちぎれるはずの身体の四肢や各部分を強靭に押さえ込んだ。しかし、それほどの衝撃とダメージを受けて無傷ですむはずないのです。その火事場の馬鹿力のように発した負荷は、確実にあなたの身体にダメージを刻み、衝撃を緩和しようとした靭帯と筋肉にかかった負荷は、肉体だけではなく、トラウマのようにあなたの副交感神経に対して必要以上の電気を帯電させ、それが神経の痛みをつくりだしている。つまり、逃れられなかった恐怖が、未だに危険だという信号を送るかのように。その事故からだいぶ時間が経つはずですが、そのダメージから精神の上では逃れきれていないのです。」
やはり、あの17年前の事故の後遺症だったのかと深く納得。当時、事故したとき、ぼくの出していたバイクのスピードは、尋常ではなく、衝突する瞬間にブレーキングでスピードを殺そうとしたために、後の警察の現場検証による路面のタイヤの焦げ後の長さから、時速160㎞以上だったことは判明している。
その時、警察に言われたのが懐かしい。
警察「普通、生身の身体が地面に叩きつけられるバイク事故の現場では、時速80㎞で確実にあの世行きなのだが、何故君がその二倍の速度で事故をして、地面に身体が叩きつけられ。腕の皮が少し剥がれた位なのかがまったく理解できない。また、紙一重で後続車にはねられなかったことやブレーキの衝撃で身体が弾き飛ばされ正面衝突を避けたことからも、運が良いとしか言いようがないのだろう。」
今、理解できた。なるほど、色々と表現があるのかもしれないが、「無意識が繋ぎ止めよう」とした命だったのか。少し、自分に優しくなれそうな気がした。
ちなみに、この事故はスピード違反以外を除けば、全面的にウィンカーを出さずに車線変更禁止の場所で、ぼくと衝突を起こしかけた車側に非がある。ちなみに、その車は逃げたが、タクシーにナンバーを控えられ、お縄を頂戴した。
ダニエル「ダルマにならなくて、良かった。いや、ダルマ(法)に守られていたのかも。」
ちなみに、院長は、診察券発行の時に書いた簡単な悪い患部しか知らないはずである。
さすがに、医学の現場で毎日診断にたずさわり、その手はグローブのように皮が厚く、人の命の重さを知っている手だと思った。
その治療方法も、経絡に対する働きかけでもなく、骨に対するものでもなく、背骨からの副交感神経、交感神経を対象とした臓器との係わりから、身体の筋肉と靭帯を調整してゆく、画期的な療法だと思った。
治療を受けた直後に、大幅に指先が発する気の質感が変わった。重たく濃厚になったのだ。つまり、五体で言うならば神よりも気の質が顕著に変化した。
これは素晴らしい技術だ!
院長「君の身体に、もう大丈夫だよと知らせる必要がある。一週間に一回通うと良いでしょう。」
よし!後学のために自らの身体を伴って勉強させていただこう。こんなに素晴らしいものを身体で習えるのならば、保険適用外だろうと安い学費だ。
ウォーターと共に、クリニックを出て、以前から約束していたウォーターの会社の水の流れを些子水法で調整しに行く。今日は、内陽造作法をする約束だった。
しかし、現場に行ってみれば、外陽造作法で十分対応できることが判明。
衝撃のビフォーアフター。
左写真が、ビフォー。来去水ともに破局。
右写真が、アフター。来去水ともに合局にする。
飲料の中間流通の会社だけに空き瓶ケースを使えば、一発で終わってしまった。
二人で、合局をつくって手を叩き喜んでいると、突然ウォーターの携帯に電話が。話し込んでいる。
ウォーター「うぉぉぉぉぉぉぉ!テナントが決まった!」
ウォーターの自社ビルには2つのフロアーがもう二年ほど、テナントが決まらず空いており、膨大な損失が出て悩んでいたが、なんと、今たったこの瞬間、この突然の電話一本で、一月からのテナント契約が突然決まったのだ。
ダニエル「なんという速度!」
ウォーター「あっ、山道さん、早くあのビルにおいてある備品どかしてくださいね。一月から入ること決定なので。」
ダニエル「のぉぉぉぉぉ!一年前アゲイン!また、悲惨な目にあうのはオレか!」
そう、一年前の大晦日12月31日にウォーターの父親の家を奇門遁甲造作したら、効果がすぐ現れて、ウォーターの父親に麻雀で大敗をきしたダニエル。
この記事を読むべし! 新年快楽!+抱負
ちなみに、この造作後、一ヶ月以内にウォーターの父親は、予想外のこととして現金3,000万円がキャッシュで舞い込み、母親はゴルフで生まれて初めてホールインワン賞を出した。
世界はこんなにもつくられている。さぁ、魔法世界を堪能しよう!
禁じられた楽器(認識)で、五つのメロディー(五術)と共に!
ダニエル「なんか一年に一回、君のところの風水に手を加えているよね。」
ウォーター「そういえばそうですね。」
これ以外にも、2年以上前にウォーターの会社に内家巒頭を施し、飲料業界が不景気のドン底に落ちて行くさなかにあって、年間売り上げを大きく伸ばした。
風水師の仕事とは、このようにクライアントと単発の仕事をするものではない。生涯を通して、クライアントの一族の責任を背負って行くものなのです。
ウォーターは仕事が忙しい年末の最中に、ダニエルの戦線及び運転を助けるため、「6分の6戦記」では、紀州戦を共に駆け巡った。
そう、お金の問題ではない。このような、侠気の問題なのである。だから、私も彼が困ったことがあると、ついつい助けに行く。私自身はというと、狂喜に満たされているが。ネェ、そうでしょマス伍長?(笑)
外陽で終わり、内陽造作の財神セットは、必要なかったが、更に効果を強めるために、縁起を担いで、社長室の応接間に家の座山とあわせてセットするために、台など必要な機材をウォーターが素早く買いそろえてくる。
故・張明澄老師は、「財神とは、お金という世界にコンセントで繋がるごときものである。」と教えてくださった。
財神に信仰や宗教は一切無い。ただの飾り物なのである。
それは、人がお金というものを財神を見るたびに強く意識をするだけでよい。わかりやすく言えば、お金を意識して日々仕事を営む経営者と、お金に対して意識をしないで経営を営むのでは、明らかな差があるのである。経営者は、自社のキャッシュフローについて絶対に把握していなければならないし、経理に目を通すことは必須である。
擇日にとって、今日は倉庫の改造の着手に縁起の良い日。ここは、飲料倉庫なので二重丸。ついでに、財神に東派による入魂の儀式を済ませてセットする。
この様な儀式は、完全に宗教の世界ですが、土木工事や建築などで工事を始める前に行う、その土地の神(氏神)を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得る「地鎮祭」と同じく、縁起ものだと一般の読者は思ってくださればオッケーです。七五三や成人式を宗教儀式といって否定する必要は無いのである。
衝撃のビフォーアフター。
左写真が、ビフォー。ビニール入り。窒息してないぞ。(笑)
右写真が、アフター。入魂の一撃。(笑)
ぼくの買ってきた財神は一個、一個職人さんの手作りの台湾産の高価なものなので、読者は真似しないでください。(笑)
というより、この間2個買ってきたら、もうなくなってしまった。
ぼくのカワイイ、カワイイ財神ちゃんが、ドナドナのように売られてゆくのをウォーターのビルの屋上から見守った。
バビロンの景色が目に染みる。
ウォーター「山道さん、この屋上好きに使って良いですよ。景色の眺めよいでしょ?」
ダニエル「えっ、ここ四十坪くらいあるよ。天然素材の木の家を建てたいな。でも、オレはもうバビロンに住みたくないんだ。次の戦いのために、来年戦地への赴任が決まったから遠慮しとくよ。」
まるで一枚の絵のような夜景を眺めながら思った。
ダニエル「こんな世界で育ったオレが違う世界を夢見るのは至極当然のことなのかもしれないな。」
そのまま、新宿三丁目の打ち合わせ場所に行く。
今日は、編集者H氏と企画の打ち合わせ。尾竹先生の企画書も提出する。
どんな場所に行ってもオレたちは主張することをやめない。それは、我々の生を表現することに他ならず、何人からも規制をされるいわれはないのである。
そう、我々のテーマは「悪即斬」である。いまどき、こんな気骨を持ったメディアの人は滅多にいない。それだけに、編集者のH氏にはいつも感謝がたえない。
二人で、ビールからはじめてI.Wハーパーを一本開け、変身し始めたH氏がタクシーの運転手を叱りつけながら、渋谷に移動。
もう一人、今一緒に企画を進めている編集者のK氏と占術家のY氏と合流する。Y氏は薄汚い年功序列と勘違いした頭の悪い序列の占術業界にあっては、とてもまともな人で、そんな占い業界とは一線を引く人だけに一緒にお酒を飲むことができる数少ない友達です。
久々に酒をたらふく飲み、帰ろうと思ったら、仕事帰りのウォーターが車で迎えに来て、恵比寿まで送ってくれた。もう、12時近くだった。
ダニエル「こんな時間まで、仕事しているなんて珍しいな。」
ウォーター「財神セットしたら、俄然やる気出てきて、ずっと経理に目を通していました。」
ダニエル「うんうん、社長として君がやる気を出してくれたのはうれしいことだよ。財神も役に立つものだなー。」
こうしてぼくの昨日、ある日常としての一日は過ぎていった。
こうやって、自分の日常をいちいち説明するのはとかく疲れるのである。(笑)
追伸
その後、ウォーターの家にデイジーとタイスンを呼んで、三次会。四人で飲んでいました。(笑)
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コメント
お疲れ様です~
沖縄戦線より1週間があっという間に過ぎてしまいました。いまだに沖縄ビーチの「巌流島」の写真を見るたびに、ニヤニヤしてしまいます。あれがあれば当分は乗り越えられそうです(笑)
山道先生をうならせる施術を一度受けてみたいものです。
是非、東京に行った際そのクリニックを教えてください。
コロゾフ |
[URL] | 2009/12/05 23:29:55
コロゾフ
いや~、あの写真は名場面の連続だったね。
水陸両用のダニエルが縦横無尽に暴れている。(笑)
クリニックのアドレスはメールしておくね。
今日、阿藤さんからのお願いで患者さんを治療してたんだけれど、
外気治療に如実に変化した気の性質があらわれた。
自分の気の質感が変化しただけでなく、外気治療における
対患者さんへの気の伝達と患者さんが感じる私の気の質感も
大きく変化したのだと思う。
おかげで外気治療がずいぶん楽になりました。
今日の患者は糖尿病の合併症で腎臓が悪く、
足に痛みがあり、腫れが酷かったのですが、
きっちり、痛みを全部とり、歩いても違和感がなくなりました。
ついでに、足の腫れもとり、全身ポカポカになり、喜んで帰って行きました。
いつもより短時間で、使用した内気も随分抑えてやったのですが、
気の量を減らしても質で補うことができました。
悪いね、コロゾフ。ワシャ、またバージョンアップで、
治療における経歴では、失敗ゼロキープだわ。(笑)
来年、療養所をあの村につくるんだけど、一緒に来るか?
奇跡を見に来ないか。ゼロキープという。
しかも、鬼教官が鍛えてあげるぞ。(笑)
ダニエル |
[URL] | 2009/12/07 3:20:37
ぎゃぁぁぁぁぁ、空いていたもう一個のフロアーも、今日埋まっちゃった。二つのフロアー共に、二年近く空いていたくせに。
風水を施した後に、この不景気な時代を無視して、二つともテナントやオフィスが決定。( ・ิω・ิ)
問題はオレたちが使う場所がなくなったちゃった。
ウォーターのところ風水を施さないほうが良かったかも。(;◔ิд◔ิ) !!!
ダニエル |
[URL] | 2009/12/09 12:09:50
山道さん
こんばんは。
時速160kmの身体、
山道さんの強い心、命のつながり、細胞・潜在意識の結びつきにビックリです。五術に携わる山道さんの治癒にあたる方は、骨相学の人なんですね。アントニオ猪木さんの技を伝授した方、と想像です。
ウォーターさんに施した些子水法は、地理風水大全のものかな?と想像です。共著の師匠さんに山道さんが見切りをつけても、この技法、ソレ自体は、有効だ、ということを垣間見るチャンスを得ました。
山道さんも名古屋の講演会の時、「250年(?)以上続いた技術でないと僕は使わない。いくつも方法はあるけれどこの些子水法は実際、僕が使ったことのある方法で、そういった意味では安心して下さい」とお聞きしました。
今回、通信講座を聞くチャンスを得ることができませんでした。
また、ご縁ある日まで、自己研鑽をして、水法とは何か?を探ります。
いつも、体験談に基づいたブログでのお話、参考になります。
ありがとうございます。
山道さん。
乾 |
[URL] | 2009/12/09 23:14:39
乾さ~ん
いや~、どうもご無沙汰しております。
しかし驚きですね。名古屋講演会での内容を逐一覚えている記憶力に感動しました。
とても恐縮ですが、うれしいです。(´□` )
些子水法は、そうですね地理風水大全に書かれているものです。
些子水法を厳密に考える上では、成立時期が大体、咸豊二年(1852年)なので、150年ちょっとしか歴史が無いんですけどね。ヽ(゚ロ゚; )ギャアア
完全な風水技術など無いというのが持論で、その中でも精度が出てくるものなので、色々と実験しつつ統計学的な処理も必要になってくるわけです。
今回のウォーターのリアルタイムに決まりましたね。
さっきも電話があって・・・
ウォーター「財神まじでヤバイッす。今仕事も超忙しくなってしまいました。」
との報告が。
しかし、会社の備品を色々と空いたフロアーに置かしてもらっていたのに加え、講座会場としても使っていたので、周りの皆からは、
「何で全部良く済んだよ!一箇所くらい破局つくっておけよ!」
と怒られてしまったのでした。ヽ('A`)ノェェェ
乾さんの風水への情熱に応えて、些子水法のぼくの師匠(現在は師匠でもなんでもありません)さえ気づいていなかった衝撃の真実。
張明澄先生の命日の日に偶然ゲットし、最近では台湾のオークションで完全にゲットしてしまった骨董品の一品をお見せします。一部で申し訳ないですが。
これが ↓ 些子水法150年の歴史の始まり(咸豊二年)の原点であり、原典です。
些子水法の原点
ダニエル |
[URL] | 2009/12/10 0:00:59
山道さん
拝見しました。
(拝読は氣が起き上がってきません(恥))
貴重な原典を伝えていただき、
ありがとうございます。
いまは師匠でもなんでもない方ではありながら、
水法だけはしっかり生きている。
魂を持った人に
その水法を授けたとき、
また、新しい技術がスタートする。
なんと、
その原典となる別記事をアップしていただき、
胸ワクワク、小躍りしてしまいました(笑)
ありがとうございます。
山道さん。
ウォーターさんの「財神まじでヤバイッす。」
本当にやばいのですね。
ますます、風水の奥深さを知りました。
やる氣が湧いて来ます。
(実例がそこにある、ということは、私にも、私たちにもできる、という意味と考えてみています。
でも、財神の方法は、地理風水大全ではない(と認識)し、特別の神さまだから、山道さんだからこその、人と人形と天地・宇宙が感応したものだから、甚大な力が宿っているんだろうなぁ〜、と想像です。)
具体的な技術はちっとも分かりませんが、
その一端に触れるチャンスを得ているジブンに
嬉しさいっぱいです。
ありがとうございます。
山道さん。
乾 |
[URL] | 2009/12/11 22:04:59
乾さ~ん
山道の秘密掲示板へようこそ。(;´・ω・)y
そうですね。技術やテクノロジーはなかなか怖いところがありまして、核融合に成功して以来、それは様々な試みと共に用いられてきました。
心無い人にコントローラーを握られると大変なことが起こります。
例えば、トルーマンはそのボタンを押してしまいましたが、もし別の人だったら違う結果が出ていたかもしれません。
また、風水に「学」をつけて呼ぶのならば、研究は続けられるべきだと思います。それは、学者だけの特権ではなく、大いに民間の実践家たちに根付く研究だったのは風水の歴史のとおりであります。
そして、研究にとって原典は欠かすことのできないものであり、そこからどのように発生して派生したのかを追ってゆくことに研究の楽しさがあります。
特に今楽しんでいるのが、『玉髄經』ですね。これは通信講座の中級Bで翻訳と解釈を発表しているんですけれども、これは巒頭派にとって非常に重大な意味を持つ一冊です。
以下にプチコーナーとして例解を一つしますね。
■■■■■■■■■■■■■■■■■『玉髄經』の世界■■■■■■■■■■■■■■■■■
その内容は、禅問答と呼ぶのに相応しい謎かけの連続で、「気」と「形」、どうしてその象徴性は、人間意識に根付く影響を発露するのかが、明確に暗号と共に説かれています。
『地理風水大全』でも説明しましたが、五星形体と呼ばれる五行を象徴した山の形があります。
その形を太祖山として起きて穴を結ぶまで龍脈は走って行くわけですが、その山の連なり、つまり巒(やまなみ)の形だけで、龍脈から龍穴を読み解こうとすると手痛い過ちを犯してしまいます。
例えば、一つ例を挙げますと、火星は禄(稼ぎ・福禄)をあらわし「禄気」の性質を備えるわけですが、火の形をした山が「穿(龍脈)」と呼ばれ、一本の「変(過脈)」となり「伝(過峽)」を形成しながら幾重にも形を変えては山が連なって続いて行くわけですが、ここに現れてくる形と形の組み合わせだけでは解決できないたくさんの示唆を「気」という観点から含むのです。
例えば、火星の三台と呼ばれる三つの尖った山の形から「伝(過峽)」を形成し、土形の土星の山に連なったとしましょう。
その時、五行相生において火は土を生じるので、穴に向かう相生の関係は縁起が良いといえます。
しかし、ここで問題は穴を結ぶ場所の父母山の形と太祖山の形に非常に留意することが促されます。
その原因は「気」なのです。太祖より起こり山の形が持つとされるそれぞれの五行の性質の気が、如何に穴まで運ばれるかというプロセスを「気」の性質と量の二つの側面で古代人たちは観察を続けてきました。
例えば、五行相生の順に山の形が変化するから良いとは一概に言えず、どのようなプロセスとともに父母山を形成し、どのような気の性質と量が穴に流れ込むかを測る指針を古代人たちは持っていました。
先ほどの例解の続きに話を戻して説明すると、火星の太祖山より起こりし龍脈にあって、火星の三台を形成し、そこから土星に連なったときに、そこに起きている「気」の性質とは一体何なのでしょうか?
尖った火星の三台は鍬をあらわし、土星の性質である土気を三又に分かれた三又の鍬(火気)が耕すために、火星の持つ火気はこの土星の中を通過して穴に向かうことができるのです。
「気」とは秩序を維持する働きであり、その秩序をあらわしたものが形でもあるのです。
この様な世界観は、身近なお話として日本昔話の世界に似ていませんか?
そう、おじいちゃんがぼそっと言いますね。
おじいちゃん「あの海には近づくな、あそこには人の足を引っ張る妖怪がいるんじゃ。」
その民間伝承のあった場所を現代の科学的な調査で調べてみると、特殊な対流が海中にできており、そこを泳ぐとそのままその対流に足を引っ張られるように引きずり込まれてドザエモンになってしまう。
つまり、民間伝承的に妖怪がいるから危険という認識を持つのも、科学的に海面からは見えないが対流が渦をつくっており危険という認識を持つのも、同じく危険だという現象としての結論に達するわけです。
現象としての容態に科学的なメスを加えるよりも、帰結する答えを自由自在に使いこなしていこうとするところに、風水の面白みがありますが、「気」というロジックのうえではそこに自然科学として成り立つ秩序としての論理があるのが風水です。
この辺りが、巒頭派は形ばかりしか観察していないと、大きく誤解されてしまうところですが、そこには「気」を追う作業が根底にあると言うことです。
そして、それはとりもなおさず「気の哲学」なのです。その思弁方法と思惟は著しく西洋哲学とも異なり、この様な思考的プロセスを『玉髄經』という巒頭派のバイブルで行われる禅の考案を悟るがごとき作業を通して、習得が可能なのです。そして、それは卑近な例であるならば、「日本昔話」の世界観であり、自然を守ろうとしてきた人々の大いなる知恵が隠されており、多くの人が風水における巒頭の看法について学ぶことでその意識は触発されるような構造を持っています。
そういった意味もあって、私は今『風水のある旅(仮題)』の執筆に取り組み、人々が「気の哲学」からその帰結をっもって景観を見つめることにより、取り返しのつかない恐るべき環境破壊から意味を見出し、その恐るべき悪い影響を改善しようともっと自然を愛することができる心の発露を求めています。
知恵はただ隠しておけばよいと代物ではなく、必要な時代、必要なときに知恵は明かされ、そして、我々は古代人の知恵に触れ、見習うことで、大事なものを守ることも可能なのだと信じています。それは、古代人の残した経典籍との対話から端を発し、いま一つの確信に変わりました。
この時代に問いたいです。
「大事なものって何なのでしょうか?」と。
この本を通じて語ることができれば幸いであります。
追伸
原稿の提出が遅れているのをお許しください。
(ノ´Д`)ノ ア~メン。
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おっと、ヤバイ。(o・x・)
『玉髄經』の翻訳を早く終えないと、中級B受講者に殺される。ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!!!
図版も書きながらやったりとお時間がかかってます。
馬周祖墳
今回の翻訳はとりわけ難しかったのぉ。ヽ('A`)ノェェェ
追伸
ウォーターが今日水を届けてくれたときに言ってましたが、最後に空いていたフロアーに関しては、同時に幾つも申し込みが入り、ウォーター側がより良い条件を選んで決めたとのことです。不景気なご時勢に贅沢なお話ですなー。
ダニエル |
[URL] | 2009/12/11 23:15:37
山道さん
おはようございます。
原典翻訳のお話、ありがとうございます。
生の講座の一部を垣間みるチャンスをありがとうございます。
玉髄經は地理風水大全で言えばP261の第四巻「龍法五星変名各部」からありますね。
山道さんのお話
↓
「気」とは秩序を維持する働きであり、その秩序をあらわしたものが形でもあるのです。
↑
ここまで
ある秩序は氣に表れ、氣をつくっている性質は形で表現されている。形を読み解けば、形の内にある氣が分かる、そう理解してみました。
形から伝えようとする五行が山にはきっとあるから、例えば大祖山が火なら、その火の性質を古代の人は形から読み解こうとした。
だから例えば、過峡で大祖山と繋がった祖山=土の五行とした時、がどう火の五行(鍬=三つ又)と絡んでいくのか、その形から維持された秩序を氣と捉え、古代の人は氣の意味を抽出しようとした。
山道さんのお話
↓
「現象としての容態に科学的なメスを加えるよりも、帰結する答えを自由自在に使いこなしていこうとするところに、風水の面白みがありますが、「気」というロジックのうえではそこに自然科学として成り立つ秩序としての論理があるのが風水です。」
↑
ここまで
日本昔話のように「妖怪に足をひっぱられる」と危険だという、端的な結論が、風水にもある。だから楽しい。
しかし、それはただ、楽しいだけに終わらず、論理がある。自由自在に氣の気質を読み解く論理(ロジック)があり、地理風水の論理から、氣の吉凶の結論を、論理的に風水は知ることができる。
地理風水の論理の中に、氣の変化を知る喜びがある。
その喜びは、地球環境を守る。地域の山川を守る、そういった意識へもむすびつく。
食物連鎖と同じように、山のどれかが欠けても、穴へは龍は流れない。山、川の美しさは、それがまるごとセットになった時、大地、天地の喜びとして,私たちの目の前に穴として現れる。
そんなことを想像しました。
なんか嬉しい氣づきです。
あったかい心が流れてきます。
貴重なお話をありがとうございます。
山道さん。
『玉髄經』の中にある
魂を私たち現代の日本人にも分かる翻訳作業、
そして、誰もが見える、このブログ、という環境で
無償で得ていることに、山道さんの、おおきな心を受け取っています。
馬周祖墳、拝見いたしました。
今度は日本語だったので文字だけは拝読できました(やった〜!(笑))
絵心あります。あります(笑)。
古代の人の絵と思いました
ぐねぐね曲がる水が、財の吉を集めるんだなぁ
、やっぱり、と絵を見ての感想です
乾 |
[URL] | 2009/12/13 2:14:36
乾さ~ん
いつも熱いメッセージを頂きまして、ありがとうございます。
馬周祖墳(馬周の先祖の墓)の図には、何故、馬周 が、48歳という若さでなくなったのかが、風水のロジックで解き明かされています。
これは原典の『玉髄經』には含まれずに、その後の『玉髄真經』の中で解説されています。
こうやって「気」を量で見ようとすると龍脈の大小の区分けがあります(それだでは無いですが)。
そして、「気」を質で見ようとすると先に挙げた例解のように、火気を宿した火星の三台山が、鎡基(じき)と呼ばれる農具である三叉の鍬や鋤となり、形の上での相性が生まれ、それが気の質として土星に宿る土気と相通じる。
そして、その相性である縁起観は、まるで日本昔話のような滑稽なお話にも聞こえますが、そこに「気の世界」を読解する答えが広がっているのです。
その様な関係を見据えるならば、まるで禅の考案のごとき世界観ともダブり、如何に禅が「気の世界」の読解において秀でた教えであるかが如実に伝わってきます。
そんな想像と浪漫がある風水の世界をこれからも、楽しんでくださいませ。
皆様の拡張する意識と風水の探求を蔭ながら応援しております。
やまみち
ダニエル |
[URL] | 2009/12/13 3:20:54