ちょっと見ていて、うなりましたね。
久々に「ホンモノの映画を見た!」と。
というのもこの映画Ningen (2013 film) は私の先輩である吉野眞弘さんがつくった映画で、しかも吉野さんが主演で登場しているのです。
そして、なんと!
この映画はトロント国際映画祭を沸かせ、第38回トロント国際映画祭入選作品に選ばれてしまったのです。The Japan Timesでも大絶賛です。
はじめメールで「トロント映画祭に入賞しました」と聞かされた時に、特に映像にも詳しくない私が
「えっ、えええ~」
と、手放しに驚いたものです。 それほど価値がある賞なんです。
その証拠にこんな風に言われています。これぞCool Japanの奇跡! 中小企業もやればできる!
チケットも頂き 人間 –Ningen–1週間限定日本凱旋上映とのこと、これは見に行かないと損だと思い、仕事も重なって時間の合間だったので、見に行ってきましたよ~。(締め切りブレイク中の本もありますが仕事と仕事の間でしたので、平にお赦しを!)
長くなりそうなので、感想の結論から先に言うとこれは日本人ならば見に行かないとまずい映画だと思いました。
様々なコンテンツとテーマを詰め込むだけ詰め込み一連のストーリーにからませていく。
日本人の持つアニミズム的世界観である八百万の神様、狐と狸の神話、神社、イタコがいやらしい形ではなく、素直に心に入り込んでくる形で登場し、一連の物語を演出します。
そして、精神療養所という特殊な空間で展開されていくドラマ。うつ病、自殺、そもそも病んだ精神とは何かを考えさせられ、そこで描かれる現代の現実世界と神話のファンタジーがストーリーの中で融合していきます。
またもう一人の主演の吉野社長の友人でもある歌舞伎町案内人の李小牧さんが味のあるいい演出をしていました。最後の舞台挨拶で監督に、「この人は役者をするために生まれてきた人」と称されていたように、演じさせられるのではなく、演じることが前向きに出ていました。
と言うのも、あとで知ったのですが、この映画はなんと!
脚本なしの全てアドリブで撮られたものなんです。
李さんには吉野さんの紹介で一度お会いしたことがありますが、本人の語る人生とは裏腹に誠実な人だと思いました。
そして、この映画の中にも「聖と俗」の葛藤があらわれており、それはこの映画のテーマでもあります。
会社想い、社員想いの責任感の強い経営者。経営難に陥った会社の社長。そして、この映画を通じてあらわれてくる「本当に大切なもの」。それは案外身近に転がっていて、人はついつい外にばかり力を使ってしまって自分の身近なものが見えていないのではないかと問いかけてきます。
それは古来からの日本人の心の世界。神道の世界。アニミズム的な世界。現代人がそこにそんなに違和感があることなのだろうか!?と、考えさせられるテーマの連続でした。
そして精神病のクリニックから浮かびあがる、日本社会の中の精神病。
それが精神病と呼べるようなものなのだろうか、そんなものは差別と隔離にすぎないのではないだろうか?と考えさせられました。
映画では主演の吉野眞弘さんが、経営難に陥った経営者として、実際に社長業を務める吉野社長の会社自体が何度も撮影の舞台で出てきており、とても身近な感じがいたしました。
と言うのも、吉野社長とのお付き合いは、吉野社長の会社から出版していただいた『風水パワースポット紀行』がはじまりでした。
そして、この本の企画が決まった時から、吉野社長の会社のご相談を受け、この会社に風水改善を施させていただきました。その時に設置した巨大なアーチが映像で出てきた時には思わず嬉しかったし、懐かしかったです。
また、社長室の改善も指示した通りの配置で、ああよく風水改善を守ってきてくれたなと嬉しいものです。風水の指導や改善を指示しても、途中で投げ出したり、途中で変えたり、最後まで信じられずに移転したり、色々なケースを見てきました。
かくいう吉野社長も、2011年311以降、日本のすべての会社が何らかの影響を受け、日本自体がどんどん不景気になり、打開策を求める一つの方法として、移転のご相談を私にしてくださいました。相談もなく、人様の施した風水を無視して移転をするという失礼がなく、私としては相談してくださって、とても尊重されている気がして嬉しかったです。
私はその時、信じてくださった奥様とともに「この場所で絶対に勝てる。どうか信じてほしい。今移転するほうが危険なのだ」と、力説しました。
今回の結果が風水だけの効果だとは思いません。この映画が手放しに素晴らしいのと同じで、寧ろ人の努力のほうが大きいのでしょう。
ただ、予測をし、クライアントに力説するものの「立場」としては、あの時、あの移転計画に反対して本当に良かったと思っています。そして、それを信じてくれた皆さんに感謝です!
あの時、施した風水改善がそのまま映像で写っていた時、正直嬉しかったです。
言わば配置されたものにはその様に配置される原因があり、それは礼儀作法と似ています。
風水も突き詰めれば、どこまでいっても「礼儀」の世界だと常々感じております。
「仁」、「礼」や「義」に反する人は効果だけ追求しても何も起きません。
吉野社長の礼儀、そして仁者であり、私に信を置いてくれた心あってこその成果なのです!
ちなみに、信じた時点で私からすれば「智」だと思います。(笑)
また、吉野社長の会社は栄えある名誉として、今年の伊勢神宮で行われた二十年に一度の式遷宮のメディア統括部門のお仕事も任せられていました。これは吉野社長のお祖父様が神主であったことを考えればとんでもない名誉職だと二人で喜んだものでした。
あの時、施した風水改善は、「財禄」(お金)を求めるよりも、「人丁」(人との調和)にウェイトを置いたものでした。私の風水に言えることですが、「丁>財」(お金より人の調和)を重視します。
吉野社長、この度はおめでとうございました!
これからは奥様とともに俳優としてもガンバってもらいたいです。
舞台後の挨拶で、この映画の話はフィクションで、「うちの会社はおかげさまで今年も黒字で折り返しました」といったのを聞いて安心しました。この映画が実話にもとづいていたらどうしようと一瞬見ていて怖くなりました。(笑)
もう満足のいく成果が出たので、ぼくの「立場」からはいつでも移転していいですよ~。(笑)
おっと、話が逸れてしまった!(^□^*)
この映画の最大の驚きは監督の二人であるチャーラ・ゼンジルジ(トルコ)、ギヨーム・ジョヴァネッティ(フランス)らが、日本人ではなかったことです。
何故、外国人がここまで日本人の心の琴線に触れるもものをつくれたのか?
尽きぬ疑問は映画終了後に舞台挨拶に来ていた監督たちに直接会って聞いてきましたが、ヒトコトで言うと「才能なのかなあー」と思ってしまいました。(笑)
この狐の能がまた素晴らしかった。丹田からの呼吸によって雰囲気をつくりあげ人を引き込む演技に感動しました。呼吸と動作だけで空気を作り変えてしまうレベル。よくこういうホンモノを見つけてきてキャスティングしたなということにも驚いてしまいます。
まだ11月5日(火)~8日(金)の上映に間に合います!
是非、オーディトリウム渋谷に見に行ってください!
余談
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