2004年11月1日に、明澄透派十三代掌門・張明澄先生が鬼籍に入られました。
そして、2008年は、残された明澄透派が「名を正す」ために集まり、門派は、無事台湾に戻り、黄文徳師兄が、第十四掌門に定まり、止まった時が、動き出しました。
張明澄先生を偲ぶ、仙宗東派からの目に見えない後援もあって、東靈真人の発表した「8月宣言」から端を発し、明澄透派を語る破門弟子たちも、順番に口を紡がれています。枯れ草や落ち葉に、火が放たれて燃え上がるように。
「張先生、今年は色々なことがありましたが、残されたもの一同、無事に揃い、先生の五回忌をお祈り申し上げます。」
三峰山山頂より。 清松
秋の紅葉に思ふ。枯れ草たちが燃やされ、新しく大地に芽吹くものがあるように。第十三代の残党である私たちが、第十四代から始まる明澄透派をお守りできるように、小生と掛川師兄と阿藤秀夫さん共に、黄文徳師兄を粉骨砕身を以ってお助けいたします。
絶え間ない自分の繰り返し、そして、色んなことがあると、何が正しいのか、分からなくなることもございます。果てない終わりが、終わりでありますように、ぼくは、テクテクと高いところに行きたくなる。張先生のご冥福を三峰山頂からお祈りさせていただきました。
山頂に着くと!なんと、美しい秋の風貌!やっぱり癒しの秋が大好きだ!
山水画の世界のような、三峰山山頂からの風景は、まさしく「気韻生動」である。山水画の六法に風水の原理と、まったく同じものを見出す。斉(479-502)の画家・謝赫が、その著『古画品録』の序文の中で、「画」の品等の基準として提唱した「六法」が一つである。
「六法」の一つ一つの意味は、
一「気韻生動」は、画かれた対象が生き生きとして見えること。
二「骨法用筆」は、筆線の描写力。
三「応物象形」は、対象の再現のうち形体描写の側面。
四「随類賦彩」は、対象の再現のうち色彩描写の側面。
五「経営位置」は、画面構成、構図。
六「伝模移写」は、古画の模写。
謝赫の時代には絵画といえば人物画が主流であったから、「気韻生動」とは画かれた対象、すなわち画中の人物が生き生きとして見えることを意味した。しかし後には、「気韻」は画く主体である画家自身の精神的営為を意味するものとなり、引いては「気韻生動」とは画家の人格がいかに画面に表出されているかを意味するように変化したとされる。
景色に感応する精神活動、つまり、景色に感動することは、即ち、癒しそのものである。生き生きとした景色が、私を生き生きとさせる。世知辛い日々を忘れ、思わずホックリと癒される。
水の波紋の形に癒される。山の稜線の形や色合いに癒される。山間に差込み、彩色を放つ陽光と山色のコントラストは、どんなカメラでも、どんな技術でも表現できないのだ。そう、我々一人一人の記憶の中でも再現できないだろう。
張明澄先生のこの五回忌を通じて、記憶の中でも再現できない世界に固執するのではなく、自らの眼力と洞察力を持って、ますます、張先生の遺したものを「再現する」のではなく、「再生する」ように努めるべきだと、自分に言い聞かせた。山水画よりも、リアルな景色を深く思うようになった。「気韻生動」とは、この心は生きているということを景色を通じて我々に教えてくれる。
風水も、この心が投影されたものであってこそ、高みに昇った芸術(アート)になる。そう、ぼくは風水に、この心が対象を捉えようとしてる「気一元論」を見出す。これも、一つのぼくが教わったことから感じている反芻と再生されて行く表現世界そのものなのだ。
<参照>理氣とは何か?
この心で多くの事象を経験し、この心をもっと鍛えて行こうと思います。
張明澄先生の五回忌を区切りに、ますます心を鍛え調えて、このキャンパスに見るもの感じるもの考えるもの全てを焼き付けたいです。
それが、限られた時の中で許されたぼくの自由だから。
もっと色々なものと繋がり、一人じゃない、自分を噛み締めたい。
そして、何人であることもなく、何人である必要もない自分になり、社会貢献をいたします。それが、教わったものが、正しいと証明する方法だと信じております。
この心は、いつだって、先生たちからの想いを力に変えて動いている。
染まる色は、一人一人それぞれ違ったけれど。
一人一人、自分だけのストーリーを描きながら生きて行く。
この限られた時の中で、許されたぼくたちの限りない自由。
それは、一人じゃないという先生や朋友との繋がり。
今度は、ぼくが先生を守るから。
先生や仲間の笑う顔が、また見たいから。
ぼくは、強くなれる。もう、何も怖くはない。
邪悪なものを打ち破り、先生の教えが正しかった事を証明することを誓います。
山道歸一(清松) 敬上
<関連ページ>
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