5月26日、今日は、札幌における山道帰一の初講演会の日。オーガナイザーの建築士コンブさんには、資料を作っていますと言いながら、昼の二時を過ぎ、待ち合わせの四時まで二時間を切った。
その頃、ダニエルは虚ろな目をしながら、天井を眺めていた。
タイスン:「早く書かないと、もう時間だよ~」
道民の皆さんに風水を語るに辺り、何かが咽喉にひかかった様に、イメージしたプログラムの組み立てと、もうすぐ始まるであろう講演会、そこに来るであろう道民のイメージがうまく重ならない。
「アドリブ、アドリブが大事なのだダニエル!」
「カマセ、カマスんだダニエル!」
ということばかり。(。◕ฺˇε ˇ◕ฺ。)
緻密に作ろうと思っていた資料が書けない。ただ頭はクリアーで何か、新しい扉に向かう意志みたいなものを強く感じる。
そう、忠犬タイスンを連れて来たのも、風水師になりたがる彼に、自分が強く現実の壁を越えて、その先を見つめようとする後姿を感じてもらいたかったのだ。そう、これは前に進み、新しい扉を開くための意志が問われる。これは、自分との戦いなのだ!師が弟子にしてやれる最たること、それは生き様で語る以外にない。
だから、その両眼(まなこ)に焼き付けろ!オレが何を考えてどう生きたかを!そして、それがオレの全てなのだ。
満員お札で、参加申込者は、六十名を越えていた。また、オーガーナイザーのコンブさんの努力に報いたい。北海道に本当の風水を伝えたい。
その本質とは、風水が中華文化圏のものであるとか、そういったことを飛び越えた本質、風水とは、秩序を維持することであり、それは既存の文化、自然を見つめ直し、あるべき姿に自然環境、景観を再現、還元する「根源に復帰させること」に他ならない。
そこに、中華文化固有の物であるといった偏見や差別はない。少なくとも、オレはそんな狭い定義や枠の中にいない。地域にある文化、風土、風俗を見つめ直し、古来からあった叡智を復活させなければならないという衝動が沸いてきた。
北海道には、素晴らしい「アイヌ文化」があったのだ。では、アイヌの知恵とは!? ここに北海道固有の先住民の叡智と風水の一致を説きたい!
そして、風水とは、人々が自然を敬い畏怖して共存して行く方法であるということをアイヌ文化の叡智を通じて、ひいては人々がその土地古来の性質や本質に、再び畏敬の念を持って迫れる講演をするのが、私の使命ではないか!
インスピレーションに打たれ、そこからようやく、資料作りが始まり、いつもの様に時間をオーバーして会場には、午後五時に到着。プログラムでしゃべる自分は、プログラムで創られた自分を相手に理解させようとしているだけで、そこに本当の自分の不在を感じてしまう。
だから、色々な参加者達を見て、その人たちと目を合わせて、感じること感じられること感じてもらいたいこと、そうやってコミュニケーションは始まる。緻密なプログラムを捨て、新しく、そして危険な扉を開ける。
会場は、コンブさんと古地図収集家のY氏が手配してくださった素敵な場所だった。
ほとんどがアドリブで行こうと決めていたため、写真資料はほとんど整理されていないため、パソコンのページめくりをしながら、講演を進めることに。
でも、みんなと心が一つになる講演会をしたい。
緊張も特になく、プログラムが頭から離れて、いたってクレーバーな状態だった。講演会に来ていた人は、皆私よりも年配な建築家が大半とのこと、アウェイ感が漂う。
「青春とは、人生におけるある一定の期間のことをいうのではなく、
心の状態のことをいうのだ。」 サミュエル・ウルマン
そう、年齢なんか関係ない。オレの青春と生き様をここに刻むのみ。
前半は、モニターを目で追う作業が多く、後半からみんなの眼を見て、みんなと質疑をし、心を通わせたいと意識し始めた。一人一人の目を追う。真剣なまなざしで、示された写真や資料、そしてぼくを見つめてくれる人の視線がある。真っ直ぐにぼくに向かってくる視線もある。
そして、思わず、若い女の子と目が合うと。 (х^ิ_^ิх)
声を振り絞るように、何回か心が震えて振動し、声になった瞬間があった。
この日、語られた内容は、一つの言霊となり、道民の心に何かを残したと信じている。
コンブさんが、後からあった反響を集計してくれたデータがそれを物語っているのではないだろうか?
・山道さんが短期間で北海道を視察され、初心者にも理解しやすい資料・写真を作成したことに感服いたしました。(40代女性)
・山道さんのブログもひそかにチェックしてます。(40代女性)
・北海道での講演会ありましたらまた行きたいと思ってます。(40代女性)
・本の出版経緯や、山道さんが何故風水をされているかなど、その目的、経緯を聞きたかった。(50代男性)
・釧路や当別の悪い例を挙げていましたが、それに対する対策案もお話ししてくれるとよかったと思う。(50代男性)
・自然と共存することが風水なんだということがよく解りました。(50代女性)
・たくさん伝えたいことがあったのだと思います。とても熱意を感じました。(50代男性)
・最初に西に黄色的な例を話され、いままで知っていた風水とはまるで違った。地理風水という初めて聞くものでした。(40代女性)
・ものごとの本質をきちんと理解できる人には言わんとしていることが理解できたと思う。アイヌのことをもっとお話ししてされてもよかったのではないかと思う。(50代男性)
・創成川埋め立てしたことなど、札幌の風水をもう少し詳しく聞きたかった。(50代女性)
また、皆と語り合いたい。そして、それは皆が住む大地のことであり、皆が吸う大気のことでもある。一人一人の意識の目覚めが、また、ぼくを北海の大地に招聘する日も近いという予感を感じている。
主催者のコンブさん、会場を提供してくれたYさん、スタッフのヒロミさん、来場の皆様、ぼくも、皆さんと楽しいひと時を過ごせました。ありがとうございました。
今、無事に東京に戻りましたよ!東北・北海道篇『風水バカ一代』は、とりあえず終了です。大成功のもとに終えられた。これは、目に見えない皆からの応援のおかげであると信じています。
この人間関係の希薄な現代で、二人分の旅費をまだ会ったことも無い読者も含めて、皆が捻出してくれて、実現してしまうなど!
そんな、奇跡のような魔法の旅のお話を皆さんは、聞いた事がありますか?
この『風水バカ一代』には、それがあるんです。
全ては、みんなとの繋がりによって生れた新しい思い出たち!
ありがとうございました!
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