「神の子池」の水を持って帰り、髪の濃いタイスンになって、もっと、心ある人間になって欲しいと願いを託しながら、夜二人で、この水を使ってお茶を淹れることに。
ご存知、我らが茶通の春摘みの「凍頂烏龍茶」は、我々の旅の必携アイテム。この水で、烏龍茶を淹れたらと、ワクワクしながら、お茶を淹れると、
ダニエル:「う~ん、とっても、凍頂烏龍茶な感じ。タイスン、本当にあの水使ったの?」
タイスン:「えっ、もとからポットに入っていた水ですよ。それ。」
「ぺチッ」と、タイスンの頭を平手打ちする音が、夜の街に木魂する。
そう、このオトコは、一度言われたことを必ず間違える癖がある。自分の思い込みと固定観念が強すぎるのである。そして、はじめに言われた一言をいつも聞き逃し、二度手間の仕事をする。どこにでもいるダメな奴なのである。一つだけ褒める点は、忠犬・タイスンと言われるだけあって、忠義がある点だけなのである。
あらためて、仕切りなおした「神の子池」の水で味わう「凍頂烏龍茶」は、ナント!
ダニエル&タイスン:「甘い水の味しかしない!凍頂の香りも、
渋みも苦味も全部なくなっている!」
なんとも、恐ろしい現象である。あれだけ強烈な香りのする凍頂が見る影も無く、「水」に変化しているだけなのである。
何杯か、その気の濃度の重圧な水を飲み、さっさと眠りに着いたが・・・それは、黙示録のような啓示の世界の始まりだった。そう、やはり、この大自然に姿を曝した「神の子池」は、強烈なメッセージと共に、強く強く私の意識をえぐるように語りかけて来た。
これだけパワースポットを巡っていますが、不思議なものです。
以下、この日見た夢の内容です。
不思議な夢を見ました。
昔住んでおり、一番長く学生時代を過ごした新井薬師の家の近くに住んでいる自分が夢に出てきて、映画のように映像や声が聞こえてきます。
初老の自分でした。そして、その後を従うかのように、映像が見えてきます。
家に何人か出入りしています。
その日は、誰か死んだようで、皆で黙祷しているような情景が見えます。
その後、家から一人一人といなくなり、いつしか私も外に出て、その自分が映像のように出てくる連続したシーンを見ていました。
懐かしい町並みですが、店などが私の知っている頃とだいぶ変わっています。
大きいトラックが家の側に止まり、何かキャスター付きの洋服掛けのような物にデザインもシンプルで縦についたストライプのデザインがあり、その部分の模様の色が違うだけのカバンが整列し、ものすごい量がトラックに詰まれています。
そして、慌ただしくスタッフと思われる人たちが、そのカバンを運び出しています。そのスタッフ達の声が聞こえてきて、それがワクチンのような薬だとわかりました。
どこからか民衆の野次のような声が聞こえてきて、駅の向こうにオープンした店の薬のほうが良く効くと言っています。
その薬局は、不法で営業しており、砒素を使った苦しまなくても死ねる自殺薬の専門店で、とても評判が良いとの事でした。
現代のダニエル:「どうなってるんだ!? この時代何かおかしいぞ!?」
と、当然リアルな今の思考の私からすればその異変に気づくわけです。
そして、なんと!駅の北口の寂れた方向にあるという例のポイズン薬局屋に、ぼくが、フラフラと歩いて行くではないですか!それが、ドキュメンタリーのような映像から伝わってくるのです。
現代のダニエル:「おかしいぞ。初老とはいえ、いつものぼくの足取りではない」
ぼくらは、歩き方だけで、体調などをある程度推し量る癖がついている。
そして、いつしか店内にたどり着き、店の主人と思われるニット帽を被った老人と会話をし、白い紙袋に小さく包まれた薬を受け取っていた。
別れ際店の主人が、後ろから店を出ようとする私に、
店主:「絶対に楽に逝けるからな!」
と、応援するように叫んでいた。悲壮な顔をして。
ぼくの表情が見えたフッと、愛想の無い軽い笑みを浮かべて、返事はせずに、店を出た。
現代のダニエル:「おかしい!? この世界、この時代のオレは何か、今のオレと随分違うぞ」
マンションの自室に戻ると、静かに水を汲み、何にも躊躇うことなく、水を少し口に含み白い袋の紙を開け、薬を口に含んで、再び、コップを握って水を沢山口に含んだ。
現代のダニエル:「ダメだ!やめろ、やめてくれ!」
ぼくは、必死に叫んだ。しかし、ぼくは映像を見ているだけで、何も、その世界に干渉できなかった。
薬を飲み干し、腰を床に下ろして寝転んだ。
その時、ぼくは彼の感覚が全部伝わってきた。
天井を見つめる目線も同じだった。
さっきまで見ているだけの映像の自身が、このとき初めて身体の感覚が一体化して融合した。
なんとなく、こうなった原因が何かの感染症であるということだけが漠然と理解できた。
呼吸が浅く、か細くなっていき、全身に痺れが走ってくるのを感じる。
ダニエル:「毒だ。今、安楽に逝けるというこの毒を信じて、
安楽に逝こうとしているオレがいる。」
儚く、振り返れば寂しいものだったと、志を想い起こしては、全身が痺れ、痺れに飲み込まれるように感覚がなくなるのを噛み締める。
それは、指先まで達し、下半身の感覚が無いが、呼吸の浅い感覚は、伝わってくる。目は自然に瞑っていた。
そうして、長年しなれた瞑想で、せめて安らかに、意識を落ち着かせようとした。
感覚が一体化したときに、記憶や状況が全て理解できたのだ。
目を瞑った世界からは、いつものように丹光が見えてきて、頭を覆い隠そうとするが、その光があまりに金色で、太陽のように縁が揺らめいている。
ダニエル:「これが、黄泉(よみ)か」
全身の感覚が薄れてゆく中で、理解した。
ダニエル:「なんだ。やっぱり死ぬことは瞑想と同じじゃないか。」
薬のおかげか全身が麻痺した感覚はあったが、痛みや苦しみは一切無かった。
太陽の光が頭を覆いつくし、全身を飲み込もうとするときに、ある不思議な衝動が湧き上がった。
それは、唐突で覚悟を固めていたのに、自分でも信じられない衝動だった。
ダニエル:「まだ、死にたくない!死にたくない!」
意識が強い衝動に触発され、一瞬のうちに現実の思考に切り替わり、身体の状態を把握しようと神経にエネルギーがいきわたる。
ダニエル:「まだ、動くか、オレの身体」
呼吸が止まりかけている。
側にあったテーブルの足をつかみ、その更に上に手を伸ばし、よれよれになりながら立ち上がる。
ダニエル:「まだ、間に合うかもしれない。今、吐き出せば間に合うかもしれない」
その思いだけで頭はいっぱいになる。
何とか、立ち上がり洗面所まで這ってたどり着き、水道の蛇口をひねり、手を指に突っ込むが、粘っこい血の塊しか出てこない。
鏡に映った自分の眼や鼻から血が垂れていた。
吐き出そうと手を突っ込んでも、吐き出そうとする感覚が湧き上がらず、吐き出そうとする腹筋や背筋が麻痺しており力が入らない。
水を飲み続け、吐き出そうとしても口からドス黒い血の塊が出てくるだけで、口が苦く鉄を食べているような感覚がした。これで終わりかと思い最後に鏡を見つめた。
既に全身の感覚が無いのに、立ちつくしていた。
その絶望の夢から、「ハッ」と目が覚めた。
寝るときは、気をもって行かれるからいつも冷房を消せと何度も言っているのに、忠犬タイスンは、記憶力が悪いし、もう、ご存知のように何度も同じミスを繰り返す。「ぺチッ」と乾いた音が部屋を木魂した。
タイスン:「う~ん」
そう、タイスンもたった今、夢で魘(うな)されたのである。
冷房付けっぱなしで、部屋は冷えていたが、ぼくの全身は汗まみれだった。
長くなってしまいましたが、「神の子池」の水を飲んで、何か不思議な啓示めいた夢を見てしまいました。やはり、恐るべき「神の子池」の超自然のパワー。それは、未来に対する警鐘とメッセージを運び続けている。
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